女性社長は5年で1.6倍に―東京商工リサーチ

2016年6月17日 09:51

印刷

女性社長数、社長率の推移を示すグラフ。(東京商工リサーチの発表資料より)

女性社長数、社長率の推移を示すグラフ。(東京商工リサーチの発表資料より)[写真拡大]

 全国280万社のうち女性社長は33万2,466人にのぼり、5年間で1.6倍に増えたことが、東京商工リサーチの「全国女性社長調査」で明らかになった。

 企業数と女性社長数を対比した「女性社長率」の全国平均は11.8%で、前年(11.5%)に比べて0.3ポイント上昇した。「女性社長率」の最高は、東京都の14.3%(前年14.0%)。神奈川県13.2%、兵庫県13.0%、福岡県12.98%、大阪府12.97%が続いた。一方、上場企業の女性社長(代表執行役を含む)は30社(判明分)だった。上場企業での割合は全体の1%にも満たず、今のところ中小企業や個人事業が中心になっている。

 産業別で最多は、宿泊業、飲食業、介護事業、美容関連、教育関連などの「サービス業他」で、13万7,837人(構成比41.5%)だった。小資本でも起業しやすい業種が多く、全産業の4割を占めた。また、産業別の「女性社長率」のトップは21.3%の不動産業だった。

 女性社長の出身大学は、日本大学が326人で6年連続トップ。2位は東京女子医科大学の262人、3位は慶応義塾大学の246人だった。国公立大学では、14位の東京大学が99人でトップ。次いで、24位に九州大学(71人)、25位に千葉大学(70人)が入った。

 女性社長の名前の1位は、「和子」が4,371人で6年連続トップ。2位「洋子」、3位「幸子」と続いた。上位20位では、「子」が付く名前が大半だが、20位以下では、30位「由美」、36位「直美」、37位「真由美」、41位「和美」、44位「薫」が名を連ねた。

 東京商工リサーチでは「自治体や金融機関で女性の「プチ起業」を支援する環境が改善されるなど、当分は女性社長の増勢が続くとみられる。女性の起業や経営者の増加は、経済活性化につながることが期待されるだけに、よりきめの細かい実効性のあるサポートが求められる」と分析している。

関連記事