中国:今週の本土マーケット、大型IPOや売停新ルールなど不安材料に

2016年5月23日 10:31

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記事提供元:フィスコ


*10:31JST 中国:今週の本土マーケット、大型IPOや売停新ルールなど不安材料に
中国本土マーケットでは今週、大型の新規株式公開(IPO)や売買停止の新ルールが気がかり材料になりそうだ。主要指数の上海総合指数は足元で2800ポイント近辺でのもみ合いが続いているが、これらの不安材料が引き続き上値の重しとなり、指数はレンジ圏での推移が続く——との見方が浮上している。香港経済日報などが23日伝えた。
今週IPOの募集を行うのは計5銘柄。うち大型株とされるのは、25日に公募を実施する中国核工業建設だ。原子力発電所の建設を主力とする同社は、5億2500万株を発行する計画。これは昨年12月のIPO再開以降で最大の規模という。公募価格は未定だが、調達規模は約27億人民元(約454億円)に達するとみられている。
このほか、一部メディアの報道によると、中国の証券当局は今週中にも、売買停止の新規定を発表する見通しだ。売買停止の理由や期間に対して一定の制限を設け、取引の公正性・透明性を確保する狙い。また、MSCI指数へのA株採用をにらんだ措置とも受け止められている。
昨夏の株価急落時には、一段の株価下落を回避するため、上場企業の過半数が売買を停止する事態が見られた。当局は新規定の導入により、売買停止制度の「乱用」を防ぎたい考えという。長期的に見れば、株式市場の健全化につながる見込みだが、新規定の実施によって長期売停銘柄が整理され、これら銘柄の株価下落が進む恐れがあるため、短期的には相場にマイナスの影響をもたらす可能性が懸念されている。

【亜州IR】《ZN》

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