2015年度の企業倒産、前年比9%減―25年ぶり9000件割れ=東京商工リサーチ

2016年4月8日 19:24

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全国企業倒産件数と負債総額の年度推移を示すグラフ(東京商工リサーチの発表資料より)

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 東京商工リサーチが8日発表した2015年度(2014年4月~2015年3月)の全国企業倒産(負債総額1,000万円以上)は前年比9.0%減の8,684件、負債総額は同8.9%増の2兆358億4,300万円だった。年度で9,000件を下回るのは25年ぶりという。同社は、金融機関が中小企業のリスケ要請に応じるなどの金融支援、大手輸出企業を中心とした業績拡大に伴う景気の底上げ、原油や鉄鋼関連価格の下落などが倒産減少の要因になったと分析している。

 一方、負債総額は7年ぶりに前年を上回った。負債100億円以上の大型倒産が前年比2倍近い16件発生したことが要因という。特に影響が大きかったのが、負債1,000億円を超えた年金資産運用のMARU(旧:AIJ投資顧問、負債1,313億円)と海運業の第一中央汽船(同1,196億700万円)の2件。

 全体では負債1億円未満が7割(構成比71.3%)を占め、小規模企業の倒産が主流である傾向に変化はないという。

 産業別の倒産件数は、10産業のうち金融・保険業を除く9産業で前年度を下回った。唯一増加したのは金融・保険業で、前年比28.9%増の49件だった。前年を上回るのは2年ぶりに。年金資産運用のMARU(旧:AIJ投資顧問)など大型倒産が目立った。

 地区別倒産件数は、2010年度以来、5年ぶりに9地区(東北、関東、中部、北陸、近畿、中国、四国、九州)すべてで前年度を下回った。

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