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15年の全国社長の平均年齢は60.8歳 高齢化に拍車がかかる
東京商工リサーチの調査によると、2015年の全国社長の平均年齢は、前年より0.2歳延びて60.8歳になった。中小企業に事業承継は大きな課題になっている。社長の年齢分布は、特に70代以上の社長の構成比が上昇する一方、30代以下は伸び悩み、社長の高齢化に拍車がかかっていることがわかったという。
社長の年齢分布は、60代の構成比が34.5%で最も高かった。ただ、60代は2010年に37.0%だったが、11年36.9%、12年36.4%、13年35.8%、14年が35.0%と低下傾向にあるとしている。
一方、70代以上は2010年に18.4%、11年が19.3%、12年は20.6%と20%台に乗せ、13年は21.5%、14年は22.5%、15年は23.3%と毎年上昇している。
このほか、30代以下は2010年から2014年まで4%台で推移していたが、2015年は調査開始以来、初めて3.7%に低下し、若い創業経営者の起業や社長交代の停滞を物語っているとしている。
地区別では、東北が61.8歳で最も高齢だった。次いで、四国61.3歳、関東61.15歳、北陸61.13歳、北海道61.0歳、九州60.8歳、中部60.7歳、中国60.5歳、近畿59.9歳。地区別の年齢分布では、9地区すべてで60代の構成比が最も高かった。このうち東北が最高の39.6%で、北海道38.6%、九州38.5%の順。70代以上の構成比では、関東が最高の25.2%。30代以下では中国が4.4%で最も高かった。
都道府県別では、30都道県で全国平均を上回った。社長の平均年齢が最も高かったのは高知県の62.7歳だった。次いで、岩手県62.6歳、秋田県62.5歳、島根県62.2歳、山形県62.2歳、長野県62.1歳と続く。一方、平均年齢が低かったのは大阪府の59.6歳。以下、滋賀県59.71歳、広島県59.74歳、沖縄県59.8歳、愛知県59.9歳の順で西日本が目立った。70歳以上では、高知県が26.8%と4社に1社以上を占め、社長の高齢化が目立ったとしている。
産業別の社長の平均年齢では、最高が不動産業の62.6歳だった。次いで、卸売業が62.3歳、製造業62.0歳、小売業61.9歳、農・林・漁・鉱業61.0歳、飲食業やホテル・旅館などを含むサービス業他が60.7歳、運輸業60.5歳、建設業59.6歳、金融・保険業59.3歳、情報通信業56.3歳の順だった。
オーナー企業では、後継者になるべき子供が承継しないことに加え、厳しい経営環境下で後継者への配慮や心配から社長自身が事業承継に躊躇している側面もあり、円滑な事業承継は一筋縄で行かないのが実態だという。
2008年10月に事業承継を促す「中小企業経営承継円滑化法」が施行されたが、状況に大きな変化が見られない。その後も事業承継に関する様々な支援施策が講じられ、2015年1月から中小企業の経営者を対象に相続税や贈与税を猶予する「事業承継税制」の要件も緩和されたが特効薬にはなっていないとしている。
2013年版の「中小企業白書」では、「事業承継の意義は、企業の存続はもとより、新たな経営者の手によって企業がさらなる発展を遂げ、地域や社会と一層強く結び付いていくことにある」と指摘している。国は、成長戦略の一つに開業率を欧米並みの10%に引き上げることを掲げるが、開業率上昇と同時に円滑な事業承継の促進ついても腰を据えた政策の実行が必要だとしている。(編集担当:慶尾六郎)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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