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高齢者虐待は30歳未満の男性介護職に多い―厚労省
神奈川県の有料老人ホームでの入居者連続死亡事件を契機に、施設での虐待問題への関心が高まっている。厚生労働省では毎年、高齢者虐待の状況を調べているが、最新のまとめでもその増加ぶりが明らかになった。
厚労省によると、2014年度に養介護施設従事者等による高齢者虐待と認められた件数は300件だった。これは、前年度より79件(35.7%)増加、2006年度の約5倍という数字になる。市町村への相談・通報件数は、前年より16.4%多い1,120件だった。
相談や通報した人は施設職員が 314 人(24.0%)で最も多く、次いで「家族・ 親族」が247人(18.9%)だった。
虐待の発生要因は、「教育・知識・介護技術等に関する問題」が184件(62.6%)で最も多く、「職員のストレスや感情コントロールの問題」60 件(20.4%)、「虐待を行った職員の性格や資質の問題」29 件(9.9%)が続いた。虐待のあった300件の施設・事業所のうち、59件(19.7%)が過去何らかの指導等を受けており、虐待事例も4件あった
虐待のあった施設は「特別養護老人ホーム」が95件(31.7%)で最も多く、次いで「有料老人ホーム」67件(22.3%)、「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」40 件(13.3%)だった。虐待の種別では「身体的虐待」が441人(63.8%)、次いで「心理的虐待」298 人(43.1%)、「経済的虐待」117 人(16.9%)だった。性的虐待も2.6 %あった(複数回答)。
虐待者は、総数328人のうち、30歳未満が72 人(22.0%)、30~39 歳が 63 人 (19.2%)だった。虐待者の性別は、「男性」が192 人(59.3%)を占めたが、これは介護従事者全体に占める男性の割合が21.9%であるのに比べると高い割合であることが浮き彫りになった。また、全体の30歳未満の男性介護者の割合が19.6%であるのに対し、虐待に占める「30歳未満男性」の割合が34.4%という結果になり、若い男性による虐待が多い傾向が多いことがわかった。
政府は、安倍首相の新三本の矢の1つである「介護離職ゼロ」の実現のため、特別養護老人ホームなど介護サービスの整備計画を見直し、2020年代初頭の介護職員の不足数について、これまでより約5万人多い約25万人と推計している。介護職員の量と質について改めて考えるべきではないだろうか。(編集担当:城西泰)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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