【どう見るこの株】住友金属鉱山の行方

2016年2月18日 10:06

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<Q>住友金属鉱山<5713>(東1)を2000円前後の買いで持っている。ナンピン買いを考えているがどうだろうか。

<A>先ず、株価の位置を見ておきたい。2015年6月に2040円と7年ぶりに2000円台に乗せた。しかし、多くの銘柄が目安となる2007年近くまで値を上げたのに対し同社は2007年10月の高値(2940円)に対し約7合目まで戻したにすぎない。その後は2040円を高値に調整、2015年9月には月足24カ月線を切って売り転換している。この点を押さえておくことが大切である。

<Q>大きい相場のながれでは下げ基調ということだろうが、それにしても1000円接近は魅力を感じる。

<A>去る、2月12日には1012.5円まで昨年6月高値(2040円)から約1030円(率で50.3%)も下げている。普通、中低位株では高値から100円下げ、値ガサ株で高値から1000円下げで底打ちといわれることに照らし合わせれば、確かに1000円接近は狙える水準といえる。ナンピン買い(値下がり損を平均化させるための買い増し)には賛成だ。

<Q>上値はどのていどか。

<A>株価が24カ線を下回ることはマーケット全体におけるポジションの変化、あるいは業績面で懸念が出ていることが多い。ポジションの変化ということでは、同社株が「資源関連の人気」を強く持っていることからみれば、現在の原油相場安など資源株に人気のないことから同社株に人気面のスポットライトが当り難くなっていることがある。一方、業績についても今3月期・第3四半期営業利益は前年同期比36.5%減益だった。通期での営業利益は前期比50.7%減の620億円、EPSはわずか9.0円(前期165.1円)の見通し。配当は年31円(前期年48円)へ大幅減配する。投資価値はよろしくない方向ということだ。

<Q>つまり、昨年の高値更新は無理ということなのだろう。それでも、あるていどは戻すのではないか。

<A>短期的には1000円下げたことによるリバウンドは見込めるだろう。しかし、よく戻したとしても週足26週線の1390円ていどまでではないかと思われる。今期のEPS9円では上値限界とみられる。次期(2017年3月期)も回復しないということになれば、リバウンド後に再び下げる可能性はあるように思われる。ナンピン買いした場合は、戻し相場の勢いを吟味して最初の持株とナンピン買い分の両方を売却するのがよいと思われる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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