関連記事
春節で訪日ラッシュ 中国経済の減速影響は?
今年の中国の旧正月である春節の大型連休(7〜13日)を目前に、早くも「訪日ラッシュ」がスタートしている。中国経済の減速が不安視されている中、訪日需要の盛り上がりは加速する一方だ。[写真拡大]
今年の中国の旧正月である春節は2月8日。その前後の大型連休(7~13日)を目前に、早くも「訪日ラッシュ」がスタートしている。中国経済の減速が不安視されている中、訪日需要の盛り上がりは加速する一方だ。中国国内でも帰省ラッシュがピークを迎え、春節を挟んだ40日間に約29億人が移動する見込み。
日本国内8空港に乗り入れる中国の格安航空会社(LCC)春秋航空は、日本便がほぼ満席となり、通常片道8,000円の上海-大阪線が20万円前後にまで高騰する日もあるという。
全日本空輸<9202>の中国路線は、ピーク前後の予約数が前年に比べ1割増加し、平子裕志ANAホールディングス取締役は「急激な円高にでも転じない限り、中国からの訪日客の動向は変わらない」と見ている。昨年、春分前の1月には約6万2,000件のビザ申請があったが、今年は8万件を超えそうだ。
軽井沢プリンスホテルは7~13日の予約率が1月29日の時点で9割近くにまで達し、平均単価は前年比35%増。大都市に限らず、地方にも客足が伸びている。
富士山麓の観光地「忍野八海」では駐車場にツアーバスがずらりと並び、日本語がほとんど聞こえないという。土産物店は中国語で客を呼び込み、活気を見せていた。端境期に関わらず観光客が途切れない現状に、地元住民も驚きを隠せない様子だ。10年前では考えられない光景である。
昨年ブームになった「爆買い」については、一旦落ち着くとの見方もある。これまでは高級家電などの大物がメインであったが、化粧品や薬などの小物をまとめて購入したり、日本独特のサービスや文化にお金を落とす中国人が増えているという。すでに訪日経験があるリピーターが増えているのが関係していると見られる。
中国人の訪日時期は、花見のシーズンや中国の法定休日の一つである「国慶節」がある10月などに分散している。2015年は春節月にあたる2月の訪日中国人観光客が約36万人と、前年に比べて2.6倍に増加。今年はリピーターによる「地方開拓」で、新たなブームが巻き起こるかもしれない。(編集担当:久保田雄城)
■関連記事
・爆買いブームの後はやっぱり「おもてなし」で
・株式市場2015年の振り返りと2016年の展望
・【2016年の展望】国内観光地、見据える「爆買い」その後
・2016年、「爆買い」の奥に潜む百貨店業界の状況
・【2016年の展望】LCC生き残り合戦 カギ握る「台湾線」と「その後」
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク