関連記事
山本耀司の展覧会「画と機」東京オペラシティで開催 - 画家・朝倉優佳とコラボ
ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)のデザイナー・山本耀司と、アーティスト・朝倉優佳による展覧会『「画と機」山本耀司&朝倉優佳』が、東京オペラシティ アートギャラリーで開催される。期間は、2016年12月10日(土)から2017年3月12日(日)まで。
[ この記事の画像を見る ]
山本と朝倉のコラボレーションは、2016年春夏メンズ&ウィメンズコレクションからスタートした。メンズでは、ヨウジヤマモトを象徴する“黒”のセットアップスーツに、鮮やかなアクリルペイントのプリントをのせて、躍動的なウェアを提案。一方ウィメンズでは、中世のヨーロッパで見られる「クリノリン」を想起させるドレスに、絵画を添えて、独自の世界観を構築していた。
洋服という立体物に向き合ってきた山本と、絵画という平面的なものに向き合ってきた朝倉。今回の展覧会では、両者ともに、絵画とファッション、二次元と三次元、男と女…、反発し合いながらも惹かれ合う、相反するものの関係性について迫る。
タイトル名の「画と機」は、絵画を意味する<画>とはずみ、機織(服)を意味する<機>を掛け合わせたもの。元々山本は、“ガキ”という音の響きが好みで、この言葉をよく用いているという。展示される作品は、これから制作予定。山本自身が自ら筆をとった、ドローイング作品が並ぶかもしれない。
2016年1月15日(金)には、展覧会開催を記念しパーティーを実施。ヨウジヤマモト青山本店で、本展の序章ともなるインスタレーションが披露された。
1階、地下1階の壁面全体を使用した作品は、力強くエネルギッシュ。2016年春夏コレクションの色彩から着想を得て、1階はウィメンズコレクションのブルーやブラック、地下1階はメンズコレクションのピンクや赤などを採り入れた作品が飾られた。
山本&朝倉に展覧会とインスタレーションについて、話を聞いた。
Q.展覧会では、どんな作品を発表される予定でしょうか。
山本:まだ、アイデアがありすぎて絞り切れないです。いくつか挙がっていますが、まだ秘密です。
Q.今回のインスタレーション制作で、朝倉さんをサポートしたと伺いました。
山本:絵の専門の人って、キャンバス一枚に向かってものを考えてるんですよね。ところが今回は空間でしょ。だから、キャンバス一枚を並べて繰り返すととても“ダサイ”ことになってしまうので、全部が一枚のキャンバスだっていう見方をして、重心をどうずらしていくかというアドバイスをしました。
Q.それは洋服作りから得たアイデアなのでしょうか。
山本:洋服作り続けて30~40年なので、動く立体に関しては、頭の中が百貨辞典みたいなものなので、そこから派生したものもあるかもしれませんね。
Q.インスタレーション制作にあたり、大切にしたことはどんなところでしょうか。
朝倉:コレクションラインの色彩を意識していました。1階は寒色をベースに、地下1階は華やかな色彩を用いて描きました。元々人体をモチーフにして(作品制作を)しているのですが、今回は絵の具を崩したり、遊ばせたりさせましたね。
Q.作品のポイントはどんなところでしょうか。
朝倉:平面(キャンバス)とは違って、空間にあるものなので、洋服を目の前に配置したり、観に来てくれる人がいたり、そうした中で作品が完成するようにしました。
Q.山本さんからはどんなアドバイスをいただいだのでしょうか。
朝倉:普段やっているものを誠実に出して欲しい、ということ。「やりすぎたくらいでいい」という言葉もいただきました。作品そのものよりは、モチベーションやメンタル面でサポートしていただきました。
Q.どんな展覧会を目指していますか。
朝倉:コレクション制作を通して、二次元、洋服の三次元、そして人が纏った四次元まで、様々な経験させていただきました。もちろん、平面的な作品に力を注ぎたいのですが、色々なことを越える、壊す、そういった楽しさや感覚も感じていきたいです。
このインスタレーションは、ヨウジヤマモト青山本店で、6月30日(水)まで展示される。山本と朝倉がコラボレーションした2016年春夏の新作ウェアも並ぶ、贅沢な空間に仕上がっているので、ぜひ訪れて欲しい。
【イベント詳細】
■展覧会『「画と機」山本耀司&朝倉優佳』
開催期間:2016年12月10日(土)~2017年3月12日(日)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3丁目20−2
TEL:03-5353-0756
スポンサードリンク
関連キーワード