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光マテリアルが屈折率ゼロになることを解明―NIMS・石井智氏ら
ハイパボリックメタマテリアル(HMM)が臨界状態で実効屈折率がゼロになったときの光の伝播の模式図。青が金属の層、灰色が誘電体の層を表す。(物質・材料研究機構の発表資料より)[写真拡大]
物質・材料研究機構(NIMS)の石井智MANA研究者らによる研究チームは、金属と誘電体が周期的に積層したメタマテリアルが、特定の周波数の光に対して屈折率がゼロになるなど特殊な光学特性を持つことを明らかにした。
近年メタマテリアルと呼ばれる人工構造を用いて、自然界には存在しない新規の光学素子を開発する研究が世界中で盛んに行われている。その中でも、金属と誘電体の周期構造を持つものはハイパボリックメタマテリアル(HMM)と呼ばれ、これまでにHMMを用いた超高解像度のレンズや、単一光子光源の発光効率の向上などが報告されるなど、HMMはメタマテリアルの中でも注目度が高くなっている。
今回の研究では、HMM中の光の伝播を厳密に記述することに成功し、それらに加えて、特定の周波数(臨界状態)の場合には、実効屈折率がゼロになったり、光が円錐状に屈折したりといった特異な光学特性も得られることを明らかにした。
屈折率ゼロの物質中では、形状がどれほど曲がったりねじれたりしていても光を損失することなく伝播することができる。このため、今回の成果を発展させることで、新たな光学素子やフォトニック集積回路を実現することが期待される。
なお、この内容は「Scientific Reports」に掲載された。論文タイトルは、「Non-local Optical TopologicalTransitions and Critical States in Electromagnetic Metamaterials」。
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