9月の経常収支、15カ月連続の黒字―原油安や訪日旅行者増で

2015年11月10日 11:35

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経常収支の推移を示す図。(財務省「平成27年9月中 国際収支状況(速報)の概要」より)

経常収支の推移を示す図。(財務省「平成27年9月中 国際収支状況(速報)の概要」より)[写真拡大]

 財務省が10日発表した9月の国際収支(速報)によると、海外との取引状況を示す経常収支は前年同月比50.1%増の1兆4,684億円の黒字だった。黒字は15カ月連続。原油安で貿易収支が改善したことや、訪日外国人旅行者数が9月として過去最高となったことなどが黒字を押し上げた。

 内訳では、輸出は同1.6%減の6兆3,761億円で31カ月ぶりに減少したものの、輸入が同12.5%減の6兆2,938億円と減少幅が大きかったため、貿易収支は823億円の黒字となった。

 旅行などのサービス収支は452億円の赤字で、赤字幅が同1,555億円縮小した。9月の訪日外国人旅行者数が同46.7%増の161万2,300人と大きく伸びたのに対して、出国日本人数は同0.3%増の152万6,000人と微増だったため、旅行収支が1996年以降、9月として過去最大となった。

 海外投資からの配当や利子などの第一次所得収支は、1兆6,694億円の黒字で、黒字幅は同18.1%縮小した。親会社と子会社との間の配当金や利子のやり取りを示す直接投資収益などが減少した。

 同時に発表した2015年上半期(4~9月)の経常収支は前年同期比4.3倍の8兆6,938億円の黒字だった。

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