318psのランクル200系のスペックでは満足できない方へ……383psのレクサスLX570

2015年8月31日 15:47

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記事提供元:エコノミックニュース

レクサスLX570は、フロントグリルの縦方向に寸法があるSUVゆえか? 堂々たるスピンドルグリルが最も似合うレクサス車かもしれない。価格は1100万円

レクサスLX570は、フロントグリルの縦方向に寸法があるSUVゆえか? 堂々たるスピンドルグリルが最も似合うレクサス車かもしれない。価格は1100万円[写真拡大]

 レクサスは、SUVラインアップのフラッグシップモデル「LX570」を全国のレクサス店を通じて9月14日から国内でも発売する。LXは、1996年にレクサス初のSUVとして北米で発売されたモデルだ。以来、北米、中近東、およびロシアを中心に海外で販売してきたSUVの旗艦モデルだ。これまで国内では、先日マイナーチェンジを受けた、同じプラットフォームのトヨタブランド「ランドクルーザー(200系)」だけを販売してきたが、今回発売する新型LXは、デザインや走りなど飛躍的進化を遂げたことを機に、3列シートのレクサス最上級ラグジュアリーSUVとして日本でも販売することになった。

 LX570が搭載する5.7リッターV型8気筒DOHCエンジンの最高出力は383ps/5600rpm、最大トルクは55.7kg.m/3600rpm。組み合わせるトランスミッションは、8速オートマティック(Drive Mode Select機構付き)となり、従来の6速ATからグレードアップを図った。

 トランスミッションの走行モードは「ECO」「COMFORT」「SPORT S」「SPORT S+」で、搭載エンジンの2000rpmという低回転域から最大トルクの約90%を発生させるワイドなトルクバンドを利して、オンロードでは伸びやかな加速を、オフロードでは低・中速域での力強さを発揮する。

 同じボディのランドクルーザーが搭載するエンジンは4.6リッターV型8気筒DOHCで、最高出力318ps/5600rpm、最大トルク46.9kg.m/3400rpm。組み合わせるトランスミッションは6速ATなので、LX570は大幅なブラッシュアップが図られていることがわかる。

 LXは、フラッグシップSUVにふさわしく、力強さとラグジュアリーが融合した内外装も注目点だ。エクステリアは、ロア部を大胆に厚くした安定感のあるフロントビュー、伸びやかで厚みのあるダイナミックなアンダーボディを強調するサイドビュー、そして力強く洗練された造形のリヤビューが本格SUVとしての力強さを表現する。プロテクター形状のフロントグリル下端や、フードから突き出すようにグリルフレームと一体となったスピンドルグリルは、レクサス車の象徴である。LEDシーケンシャルターンシグナルランプを初採用。ターンシグナルが流れるように点灯し、右左折時の注意喚起を高めると共に先進性を演出する。同時に21インチアルミホイールをオプションとして初採用・設定し、プレミアムモデルにふさわしい力強さを表現した。

 従来、海外版レクサスLXには、5.7リッターV型8気筒DOHCエンジンにスーパーチャージャー(過給器)を装着した「レクサスLX570 Supercharger」として最高出力450psのモデルがラインアップされていたが、国内販売モデルは自然吸気エンジンだけとなる。スーパーチャージャーモデルは世界でも中東クウェート向けなど限定した販売となりそうだ。

 アクティブな運転支援システムも充実している。車速に合わせてステアリングギア比を変え、ハンドリングをサポートするギア比可変ステアリング(VGRS)が走行安定性を確保するとともに、ボディの大きさを感じさせない優れた操作性を実現する。ドライブモードセレクトスイッチに対応し、サスペンションを自在に制御する4-Wheel AHC(Active Height Control Suspension)とAVS(Adaptive Variable Suspension system)を搭載。4-Wheel AHCは、様々な状況下で車高調整を自動制御し、レクサス初の乗降モード使用時には、エンジンを切ると車高を下げ、乗降性の良さに寄与する。加えて、走行状態に応じて減衰力を自動制御するAVSでは、車体のあおりを自然で滑らかに制御し、優れた乗り心地と操縦安定性を提供する。

 アクセルやブレーキ操作なしにステアリング操作のみで極低速走行が可能なクロールコントロールや、トラクションやブレーキを最適制御しAWD性能を高めるマルチテレインセレクトが、オフロードの状況に応じて走行をサポートする。クロールコントロール走行時に、回頭性を高めるターンアシスト機能も備え、タイトコーナーでの切り返し操作回数を低減する。

 予防安全パッケージである「Lexus Safety System +」をはじめとする先進安全技術も満載だ。「Lexus Safety System +」は、歩行者検知機能付衝突回避支援タイプ「プリクラッシュセーフティ」、車線逸脱の可能性を運転者に知らせる「レーンディパーチャーアラート」(LDA)、先行車や対向車を遮光しハイビームを照射する「アダプティブハイビームシステム」(AHS)、高速道路で先行車との車間距離を適切に保ちながら追従走行ができるレーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)をオールインワンのパッケージとし、多面的な安全運転支援を強化した。

 先進の空調システム「レクサス・クライメイト・コンシェルジュ」を搭載し、オートエアコン、ステアリングヒーター、運転席・助手席・セカンドシートのシートヒーター・シートベンチレーションの各機能を一括して連動・作動させるクライメイトコンシェルジュスイッチを世界初搭載した。さらに、助手席とセカンドシートの着座乗員有無を自動検知し、各機能を自動的に作動または停止させる。

 新型レクサスLX570のボディカラーは7色。価格は1100万円(消費税込)。これは、レンジローバー・スポーツの846.0~1341.0万円。ポルシェ・カイエンSの1140.0万円。メルセデスGL350ブルーテックの1000.0万円、同じGL550の1353.0万円あたりと競合する。(編集担当:吉田恒)

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