拡大する女性雇用と活躍の場

2015年8月30日 17:34

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記事提供元:エコノミックニュース

安倍内閣も「女性の持つ力は日本最大の可能性」という考えのもと、女性の活躍推進に向けた取組みを強化しており、8月25日には、企業や自治体に女性の登用目標設定を義務付ける女性活躍推進法案が参院内閣委員会において賛成多数で可決している

安倍内閣も「女性の持つ力は日本最大の可能性」という考えのもと、女性の活躍推進に向けた取組みを強化しており、8月25日には、企業や自治体に女性の登用目標設定を義務付ける女性活躍推進法案が参院内閣委員会において賛成多数で可決している[写真拡大]

 厚生労働省の調査によると、平成26年度に新卒採用された総合職の男女別割合は、男性が77.8%、女性は22.2%で、前回調査(23年度)の11.6%に比べて女性の採用が拡大したことが分かった。

 安倍内閣も「女性の持つ力は日本最大の可能性」という考えのもと、女性の活躍推進に向けた取組みを強化しており、8月25日には、企業や自治体に女性の登用目標設定を義務付ける女性活躍推進法案が参院内閣委員会において賛成多数で可決している。あわせて男女雇用機会均等法の改正について検討を進めることなど16項目を盛り込んだ付帯決議を付けて、28日の参院本会議で可決、成立する見通しだ。

 政府の掲げる「女性の持つ力は日本最大の可能性」という考え方は、決して大げさなものではない。日興フィナンシャル・インテリジェンスが、女性の活躍推進と企業経営の関係に関する調査研究を行っているが、その中で欧米の4つの業界レポートから、必ずしも因果関係を示すわけではないものの、女性取締役の多い企業は、組織的な卓越度に優れており、財務パフォーマンスが高いという関係があることを指摘している。

 また、営業面でも女性ならではの視点を活かしたプロジェクトが盛んになりはじめている。例えば、全国及び海外にもホテルチェーンを展開する株式会社プリンスホテルは、「女性が集まるホテル」を目指して、女性ホテリエだけで企画を立案する「TOKYO HONEY PROJECT」を立ち上げ、グルメや美容エステなどのサービスを展開している。

 鹿児島の製茶会社美老園でも、女性の力で昨今の日本茶離れを食い止めようと、女性従業員によるプロジェクトチームを発足し、新しいお茶ブランド「Satsumarche(サツマルシェ)」を開発した。サツマルシェとは、「薩摩」とフランス語で市場を意味する「マルシェ」を掛けあわせた造語。桜島小みかんを使ったフレーバーティー小みかん茶など7種の味のフレーバーティーで、地味なイメージを持つ従来のお茶のパッケージを一新し、まるでチョコレート菓子のようなカラフルな包装が女性ならではの視点で、発売以来、一気に注目が高まった。

 住宅業界では、アキュラホームが「ママ・クチュール」という住宅商品を展開している。これは、同社の女性スタッフが「女性にとっての理想の住まい」を打合せて開発した商品で、最新設備を導入するのではなく、女性視点での創意と工夫を随所にちりばめて、子育てや家事がしやすい住宅を作り上げている。子どもの手洗い習慣が身につくように玄関に洗面台を設けたり、室内干しもできるダイニングスペース、部屋が散らかりにくい床下おもちゃ収納など、とくに子育て主婦ならば思わず「あるある」と嬉しい笑顔がこぼれそうな、女性ならではのアイデアが満載だ。

 こういった女性のアイデアを取り入れることで、日本経済の潜在的な需要はまだまだ喚起できるのではないだろうか。「サツマルシェ」は日本茶のイメージを一新し、若い女性にも充分アピールできる商品だし、「ママ・クチュール」も、持ち家志向が薄れているといわれる昨今の住宅市場において、エコ仕様や省エネ住宅などに匹敵する「持ち家ならでは」の魅力を主婦に向けて提案することで、賃貸から住宅購入へ誘導する大きな牽引力になるだろう。(編集担当:藤原伊織)

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