NYの視点:米9月の利上げも視野に

2015年7月31日 07:15

印刷

記事提供元:フィスコ


*07:19JST NYの視点:米9月の利上げも視野に

米商務省が発表した4-6月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率2.3%増と、昨年7-9月期以降で最大の伸びとなった。異例な寒波を受けて停滞した1-3月期の経済から回復。1-3月期GDPも0.2%減から0.6%増と、プラス成長に上方修正された。これで、2015年上半期の経済は1.45%増となった。

商務省は同時に、年次のGDP修正を発表。2015年の1-3月期に加えて、2014年の1-3月期GDPも当初の2.1%減から0.9%減に上方修正された。2014年に続き2015年の1-3月期GDPの速報値がマイナス成長に落ち込んだため、一部のエコノミストやFOMCメンバーの間で、異例な寒波という一時的要因以外にも経済を押し下げる原因があるのではとの疑念も広がった。このため、結果は安心感につながっている。ただ、修正後の2011-2014年の成長は2.0%ペースと、事前の2.3%成長をさらに下回り、第2次世界大戦後最悪の成長率がさらに下方修正される形となった。

7月の連邦公開市場委員会(FOMC)声明で労働市場にあるたるみが一段と解消し、「一段と目標に近づいた」と雇用の判断が上方修正されたことに加えて、GDPの改善を受けて9月会合でFOMCが2006年以降9年ぶりの利上げを開始する可能性は一段と高まったとの見方。ドルも上値を試す展開が予想される。《NO》

関連記事