【中国の視点】ギリシャ危機:まだ終わっていない、一部古代遺跡を失う可能性も

2015年7月16日 08:07

印刷

記事提供元:フィスコ


*08:07JST 【中国の視点】ギリシャ危機:まだ終わっていない、一部古代遺跡を失う可能性も
ギリシャとユーロ圏首相はこのほど、総額800億ユーロ(約10兆8560億円)に上る第3次支援に向けた改革案の内容で合意した。

支援金の担保として、ギリシャは将来一部の国有資産を新たに創設されたファンドの中に置く必要があり、欧州連合(EU)関連機関の監督の下で売却される見通しだ。対象となる国有資産は明らかにされていないものの、古代遺跡の売却などが盛り込まれていると報じられている。

これに対し、ギリシャの政府関係者は、実に侮辱的な条件だと不満を漏らしている。古代遺跡の売却は歴史を失うようなものだと批判した。また、財政危機に直面するギリシャでは、預金封鎖や資産の強制課税などを恐れ、富裕層による高級別荘の売却も相次いでいる。ギリシャの不動産関係者は、一部の別荘が半値で売られていると発言。ギリシャの高級物件は2009年からすでに50%暴落しており、最近の一段下落を受け、割安感から中国やロシアなどの富裕層からの問い合わせが相次いでいることも明らかにされた。

中国の専門家は、ギリシャの金融危機が終わっていないと指摘。今回の支援措置がデフォルト(債務不履行)時期の先送りにすぎないとの見方を示した。ギリシャがデフォルトを回避するには、長くて厳しい改革の道を進んでいくしかないと強調した。《ZN》

関連記事