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中国:拡張路線から変更か、戦略見直し迫られる高級車メーカー
*08:49JST 中国:拡張路線から変更か、戦略見直し迫られる高級車メーカー
高級車販売市場の減速感が強まるなか、各高級車メーカーは中国戦略見直しの岐路に立たされている。これまでの強気拡大戦略からの変更を迫られつつあるという。国際金融報が29日付で伝えた。
コンサルティング会社の北京尚普信息咨詢有限公司(S&Pコンサルティング)は、このほど発表した「中国自動車市場の見通しリポート」で、市場の低迷につれて、高級車メーカー間の競争が一段と激化している現状を指摘。販売目標こそ下方修正していないものの、中国の事業拠点拡大ピッチを緩め始める動きが散見されるようになったと解説した。
グローバル各社はこれまで、中国で競うように拡張戦略に取り組んできた経緯がある。市場が速い成長を維持してきたためだ。しかし2013年ごろから、この状況に変化が発生。中国景気の減速と連動するように、高級車市場の成長ピッチが鈍化した。ベントレー、フェラーリ、ランボルギーニなどは、13年の中国販売がそろって前年割れ、または横ばいを余儀なくされている。
それでも各社は、中国への投資の手を緩めず、ディーラー店の拡張を継続してきた。中国市場の成長ポテンシャルを高く評価したため。しかし足元では、市場の減速感が強まるばかりだ。5月の中国高級車販売は、BMW、アウディ、ジャガー・ランドローバーの3社が前年実績を割り込んでいる。BMWの5月中国販売は、前年同月に比べて5.5%減少。05年1月以来、10年4カ月にわたって続いていた「前年実績越え」の記録が途絶えた。アウディも2年5カ月ぶりに中国での月間販売を落としている。また、ジャガー・ランドローバーの5月中国販売は、前年同月比32.1%減。1~5月では、前年同期に比べて23.0%落ち込んだ。
高級車販売の不振について、販売ディーラーを含む業界関係者の間では、「中国新車販売市場が“量的低迷”から“質的低迷”へと移行し始めた表れではないか」とする懸念も広がっている。
【亜州IR】《ZN》
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