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中国:証監会が市場の不安払拭に向け緊急コメント、IPO一時停止の観測も
*08:48JST 中国:証監会が市場の不安払拭に向け緊急コメント、IPO一時停止の観測も
中国本土マーケットで株価が急落するなか、当局が投資家心理の安定化に向けた動きを強めている。中国証券監督管理委員会(証監会)は29日、公式ミニブログ上で、証券会社の信用取引業務をめぐるリスクはコントロールされており、強制決済の規模も小さいと強調。25~26日の2営業日で、強制決済の総額は600万人民元(約1億1900万円)に過ぎないと説明している。その上で、証券会社の信用取引業務には依然として成長の余地があると指摘した。
このほか、29日付の外電報道によると、当局は本日午後に緊急会議を開き、新規株式公開(IPO)を一時停止することを決めた——との情報も伝わっている。
上海総合指数は今月12日、約7年ぶりとなるザラ場高値の5178.19ポイントに到達。ただ、9営業日後の26日には、ザラ場で4139.53ポイントまで下落し、下落率が1000ポイントにも達した。26日の上海総合指数は7.4%安と、今年2番目のきつい下げを記録している。
その翌営業日に当たる27日には、中国人民銀行(中央銀行)が政策金利と預金準備率の同時引き下げを発表(28日付で実施)。A株急落直後の発表だけに、市場では「単に景気の安定を図るだけではなく、本土株の急落を食い止めることも狙い」との見方が強まった。しかしながら、投資家心理にもたらすプラスの効果は限定的だった。本日(29日)の上海総合指数は朝方こそ買われる場面が見られたものの、結局3.3%安と大幅続落している。
本土マーケットは昨年末以降、信用取引の急速な規模拡大を原動力に株価が急上昇していた。信用取引残は直近1年で約5倍に膨らみ、今年5月には2兆人民元(約40兆円)の大台を突破している。
ただ、先週に入り急速な株安が進むなか、信用取引の過熱に伴うリスクが露呈し始めた。投資家による自主的な損切りや、証券会社による強制決済が増えていると報じられている。信用取引残は今月18日に2兆2700億人民元のピークを付けた後、翌19日には約1カ月ぶりにマイナス転換。その後も減少が続き、26日時点で2兆1500億人民元まで縮小した。
【亜州IR】《ZN》
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