アリババが金融情報に参入、“中国版ブルームバーグ”目指す

2015年6月5日 13:34

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記事提供元:フィスコ


*13:34JST アリババが金融情報に参入、“中国版ブルームバーグ”目指す
Eコマース(電子商取引)中国最大手の阿里巴巴集団(アリババ・グループ)が国有メディアグループの上海文広新聞伝媒集団(上海文広集団:SMG)と提携し、金融情報サービスに参入する。アリババは4日、上海文広集団傘下の第一財経伝媒公司に12億人民元(約240億円)を投資すると発表した。また新たに共同で、金融データサービス会社の第一財経新媒体科技公司を立ち上げる。機関投資家や中小企業をターゲットに、金融情報やデータベースを提供していく考えだ。

アリババの馬雲(ジャック・マー)会長は契約式典の席で、「中国独自のブルームバーグやウォール・ストリート・ジャーナルを作りたい」と語っている。同社は主力のEコマース事業だけでなく、買収などを通じ、金融、物流、ヘルスケア、エンターテイメントなど各種分野のデータを蓄積してきた。今回の提携を通じ、これらのデータをマネタイズ(収益化)する意向だ。

アリババが出資を決めた第一財経伝媒公司は、経済紙の「第一財経日報」を発行するほか、金融情報サイト、経済誌、経済専門テレビチャンネルなど各種サービスを展開する。今回の投資後、アリババの出資比率は30%となる見込みだ(正式発表なし)。アリババは今後、傘下の通販・オークションサイト「淘宝網(タオバオ)」のモバイルユーザーに対し、第一財経の金融情報を提供するなど、両社サービスの融合を図っていく。

アリババは1999年に馬雲氏が設立。03年に開設した「淘宝網」が大成功を収め、業績を急成長させた。「淘宝網」や「天猫(T−Mall)」など傘下サイトの取引総額は、14年6月末までの1年間で1兆8330億人民元に膨らんだ(国内シェア約7割を占め、世界トップクラス)。企業間取引(B2B)にも強く、B2Bシェアで最大の「アリババ・ドットコム」を傘下に擁する。14年9月、ニューヨーク市場に株式上場した。

【亜州IR】《ZN》

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