(中国)個人・企業向け譲渡性預金の発行解禁、金利自由化へ前進

2015年6月3日 10:27

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記事提供元:フィスコ


*10:27JST (中国)個人・企業向け譲渡性預金の発行解禁、金利自由化へ前進
中央銀行の中国人民銀行は2日、市場金利に基づいて金利の設定が可能な譲渡性預金(CD)について、個人や企業向けの発行を解禁すると発表し、同日付で実施した。金利自由化に向けた取り組みの一環。これまでは銀行間でのみ発行が認められていた。

CD発行の最低金額は、個人向けが30万人民元(約600万円)、企業向けが1000万人民元(約2億円)に設定する。預入期間は1カ月、3カ月、6カ月、9カ月、1年、18カ月、2年、3年、5年の9種類。金利については、上海銀行間取引金利(SHIBOR)に連動させることが可能だ。通常の銀行預金と異なり、各金融機関の裁量で市場環境に基づいて金利設定ができる仕組み。銀行にとっては、預金獲得に向けた手段が増える形となる。

銀行業の適切な競争環境を創出するため、中国は金利の自由化に向けた改革を進めている。2013年7月に貸出金利の下限規制を廃止したほか、先月には預金者のセーフティネットとなる預金保険制度を導入した。現在は預金金利の上限規制が残る状況となっている。

「預金保険条例」によると、ペイオフ(預金保護)の上限は50万人民元(約1000万円)。金融機関(商業銀行、農村合作銀行、農村信用合作社など)が当局に納める保険料が預金払い戻しの原資となる。

【亜州IR】《ZN》

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