関連記事
大日本印刷、デジタル教材市場に参入
大日本印刷〈7912〉は、ICT(情報通信技術)を活用した教育で求められる教材の開発に乗り出した。第一弾として、千葉大学の藤川大祐教授と共同で、小・中学校向けにゲームの要素を取り入れた協働学習教材の開発を始めた。6月から、東京都、千葉県など十数校の小・中学校でこの教材を用いた実証授業を実施する。
近年、授業でICTを活用しながら協働学習を行いたいという学校のニーズが高まっている。大日本印刷はこうしたニーズに応え、教材のキャラクターが授業の進行をナビゲートするなど、ゲーム的要素を授業に取り入れた「ゲーミフィケーション手法」を採用している。
このような協働学習では、児童・生徒たちが楽しく学べるようにすることで、苦手な教科や単元においても児童・生徒の自発的な参加を促すことができるとされている。また、児童・生徒が互いに意見を交わして、協働で学習をしていくことができる。さらに、教員は教材のシナリオに沿って授業を行うことができるため、板書の時間短縮に伴って、個別指導に時間を充当できるようになるという効果が期待されている。
同社はまた、予習によって知識を習得したうえで主体的に授業に臨む「反転授業」の効果を高めるため、タブレット端末とデジタルペンを活用した記述式学習問題(ワークシート)の実証研究を佐賀県武雄市の小学校で4月に開始している。
政府は2020年までに「一人一台のタブレット端末」実現を目標に掲げており、今後、デジタル教材の開発が急速に進むと予想されている。市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニングは、20年には、教育用電子黒板、教育用タブレット端末などの「教育用ICT機器」の市場規模が1160億円、デジタル教科書の市場希望が、現在の紙の教科書とほぼ同等の400億円に拡大すると予測している。
今後、大日本印刷は、図書館流通センター、丸善〈8236〉、教育出版などと協力して、教育システム、サービス、教材の開発に取り組む方針。教育関連事業で2020年度までに100億円の売上を見込んでいる。(編集担当:久保田雄城)
■関連記事
・ベネッセ、情報流出の影響で上場以来初の赤字
・日本のビジネスパーソン、9割は「仕事で英語使わない」
・少子化に向け教育業界も新サービスが次々とお目見え
・教育現場で補助教材適正取扱いをと通知 文科省
・小学校の英語授業の下級生移行で、少子化でも活況「子供英会話教室」
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク