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海の草原「アマモ場」は小動物によって保たれていることが明らかに
米スミソニアン研究所のJ.E. Duffy博士が主導し、日本から北海道大学の仲岡雅裕教授らが参画する国際共同研究グループは、海の草原と呼ばれるアマモ場は、小型動物が藻類を食べることで保たれていることを明らかにした。
海の草原と呼ばれるアマモ場は、沿岸生態系で重要な役割を担っていることが知られている。
今回の研究では、北半球の温帯~亜寒帯に拡がるアマモ場の分布域をすべてカバーする国際共同研究グループを立ち上げ、世界15地域で同時にアマモ場の植物の成長や生産に対する栄養塩の効果(ボトムアップ効果)と小型動物の摂食の効果(トップダウン効果)の検証を行った。その結果、小型動物がアマモを被覆してしまう藻類を食べることでアマモの成長を促し、その結果アマモが枯れるのを防いでいることを明らかにした。また、その効果は動物群集の多様性が高いほど強くなることも分かった。
今後は、本研究成果が、世界中で減少しているアマモ場の保全計画を作成する上で重要な基礎資料として活用されると期待されている。
なお、この内容は「Ecology Letters」に掲載された。論文タイトルは、「Biodiversity mediates top-down control in eelgrass ecosystems: A global comparative-experimental approach」(生物多様性がアマモ場生態系のトップダウンコントロールを調整する。全球レベルの比較実験アプローチ)。
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