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NYの視点:米QE4の可能性
*07:20JST NYの視点:米QE4の可能性
米国の貿易赤字拡大を受けて、1-3月期の国内総生産(GDP)がマイナス成長に下方修正されることはほぼ確実と見られている。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)高官を始め多くのエコノミストが弱い第1四半期の経済は異例な寒波という特別要因によるもので、4-6月期には3%前後の成長を回復するとの期待感が強い。
しかし、出始めた4月の消費や雇用の指標は依然として冴えない。米国経済の3分の2を消費が占めるため注目されていた小売売上高も予想を下振れた。米国商務省が発表した4月小売売上高は前月比横ばいと市場予想の0.2%増を下回り、ほぼ1年ぶりの大幅な伸びを記録した3月の1.1%増から伸びが鈍化した。国内総生産(GDP)を算出する際、使用される自動車、食品、建材、ガソリンなどを除外した“control group”と呼ばれる指数も0.5%増の予想に反し横ばいに留まった。
そのほかにも景気後退時のような状況を示唆する指標が目立つ。3月の輸出は前年比で2.0%減と、過去2回の景気後退(リセッション)で見られたようにマイナス成長となった。燃料を除いた輸入物価指数も前年比2.7%減と下落幅は2009年来で最大。景気後退(リセッション)時にしが見られない水準に落ち込んだ。また、3月の耐久財受注で、輸送機を除いた新規受注は前年比で0.7%減と、リセッションの環境下となっている。最後に耐久財受注がこの水準まで落ち込んだ際、FRBは量的緩和第3弾(QE3)を導入した。卸売売上高と在庫の比率も1.3と、景気後退、リーマンショック直後の水準。製造業受注も前年比で減少、減少率はリセッション時以降で最大となった。
各国金融機関のエコノミストは軒並み4-6月期の国内総生産(GDP)見通しを引き下げ。バークレイズ銀行のエコノミストは早速、米4-6月期の国内総生産(GDP)見通しを従来の3.0%から2.6%へ引き下げた。1-3月期は-0.6%。TD証券は2.0-2.5%レンジの下限を予想。テクニカルリセッション入りする可能性を指摘するアナリストもあり、利上げよりも量的緩和第4弾(QE4)が必要だとの声も聞こえる。1−3月期の成長見通しで米商務省が発表した国内総生産(GDP)に近い数字を出したアトランタ連銀のモデルによると、4−6月期国内総生産(GDP)の見通しは現状で0.7%成長に従来の0.8%成長から引き下げた。次回の見通しは20日に発表される。《NO》
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