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名大、体内時計の周期を変える新しい分子を発見
名古屋大学の伊丹健一郎教授らの研究チームは、分子触媒を用いた最先端合成化学の手法を用いて、ほ乳類の体内時計リズムを変える新しい分子を発見した。
私たちの身体の中には、概ね1日のリズムを刻む体内時計が備わっており、睡眠・覚醒リズムの他、ホルモンの分泌や代謝活動の制御にも重要な役割を果たしている。また、熱帯以外の地域に生息する多くの動物は、ある特定の季節にのみ繁殖活動を行うことが知られており、こういった繁殖活動にも体内時計が関与している。
今回の研究では、世界最先端の合成化学、触媒化学、時間生物学、動物生理学、計算化学を融合させた研究チームを結成し、体内時計の周期を長くする分子KL001の誘導体を50種類以上合成した。そして、これらの分子が体内時計に影響を調べたところ、カルバゾール部位はリズム変調活性に必須の部位であること、アミノアルコール部位やフラン環・チオフェン環部位は活性に決定的に重要ではなく、他のものに置き換えることが可能であることが分かった。
今回の研究成果は、将来的に体内時計によって支配されている様々な疾患の克服や食料の増産に貢献することが期待される。
なお、この内容は「Angewandte Chemie」に掲載された。
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