関連記事
3月の給与総額増も、実質賃金は23カ月連続減
厚生労働省は1日、3月の毎月勤労統計調査(速報)を発表。それによれば、基本給と残業代、ボーナスなどを合計した「現金給与総額」の平均は前年同月比0.1%アップの27万4924円であり、これで4ヶ月連続でプラスとなったことがわかった[写真拡大]
厚生労働省は1日、3月の毎月勤労統計調査(速報)を発表。それによれば、基本給と残業代、ボーナスなどを合計した「現金給与総額」の平均は前年同月比0.1%アップの27万4924円であり、これで4ヶ月連続でプラスとなったことがわかった。しかし物価の変動を考慮した「実質賃金」は前年同月比2.6%ダウンであり、こちらは23ヶ月連続でマイナスとなった。
「現金給与総額」の内訳を見てみると、基本給にあたる「所定内給与」は前年同月比0.3%アップの23万9790円で、残業代などの「所定外給与」は前年同月比2.3%ダウンの1万9681円で、24ヶ月ぶりのマイナスとなった。前年の3月は、消費税増税前の駆け込み需要により残業代が大幅にプラスとなったため、その反動が現れた。ボーナスなどの「特別に支払われた給与」は前年同月比1.6%アップの1万5453円であった。
「総実労働時間」は前年同月比1.4%アップの145.9時間で、このうち「所定内労働時間」は前年同月比1.8%アップの134.5時間、「所定外労働時間」は前年同月比2.4%ダウンの11.4時間であった。「常用雇用者数」は前年同月比1.9%アップの4687万人で、このうち正社員などフルタイムで働く一般労働者は前年同月比0.9%アップの3268万人、パートタイム労働者は前年同月比4.0%アップの1418万人であった。
このように「所定外給与」は24ヶ月ぶりのマイナスとなったが、「所定内給与」については微増であるもののプラスをキープ。賃金が緩やかではあるものの回復傾向にあることがうかがえる。「現金給与総額」を就業形態別に見てみると、一般労働者が前年同月比0.5%アップ、パートタイム労働者は前年同月比0.6%アップであった。また「現金給与総額」のうち「所定内給与」で見てみると、一般労働者については前年比0.6%アップ、パートタイム労働者も前年同月比0.6%アップという結果であった。
しかし、そうして「現金給与総額」が微増しても、「実質賃金」がプラスにならないことには、なかなか私たちとしては「生活が楽になった」「景気が回復した」という実感を持つことはできない。去年4月の消費税増税、また今年4月に相次いで行われた食品などの値上げに対して、まだまだ私たちの賃金は追い付けていないというのが現状だ。(編集担当:滝川幸平)
■関連記事
・実質賃金、22ヶ月連続減。賞与は6年ぶりに増
・日銀が金融緩和を継続、円安・株高演出で景気回復は本当に可能か
・我々は月例賃金の賃上げに拘る 古賀連合会長
・11月の給与9ヶ月増。しかし実質賃金は17ヶ月減
・財政肥大明らか 経済の不確実性も増と問題提起
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク