NYの視点:米4月雇用統計に警戒感、20万人の雇用回復なるか

2015年5月7日 07:07

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記事提供元:フィスコ


*07:07JST NYの視点:米4月雇用統計に警戒感、20万人の雇用回復なるか
米国3月の雇用統計が予想外に低調な結果となったため、4月、5月の雇用統計が6月の利上げの可能性を左右する。

雇用統計の先行指標のひとつである新規失業保険申請件数は15年ぶりの低水準で推移するなど雇用が順調に回復している兆候が見られる。一方、民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の4月分は前月比16.9万人増と2ヶ月連続で20万人を割り込んだ。2カ月連続の20万人割れは昨年1月以来となる。3月分も18.9万人増から17.5万人増へ下方修正された。同指数は先行指標の中でも米労働省が発表する雇用統計と最も相関性が強いと見られており、4月雇用統計に警戒感が広がった。原油安やドル高が影響し製造業での雇用の鈍化が目立ち全体指数を押し下げた。

エコノミストは4月雇用統計の非農業部門雇用者数で23万人増と依然20万人超を予想している。前月分が予想外に20万人を割り込む弱い結果となったため4月雇用の大幅な改善を期待している。しかし、万が一、期待どおりに20万人超の雇用が回復できなかった場合、連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げが先送りされるとの観測がさらに強まりドル売りに一段と拍車がかかることになる。ロックハート・アトランタ連銀総裁は「状況は依然年内の利上げを可能にする」との見解を示した。同総裁は2015年度のFOMC投票権を有する。


■4月雇用統計の先行指標

・ADP雇用統計
前月比+16.9万人(予想:+20万人、3月:+17.5万人)

・ISM製造業景況指数
雇用:56.7(3月 56.6)

・NY連銀製造業景況指数
雇用(現状):9.57(3月18.56)
週平均就業時間:-4.26(3月5.15)
6か月予想
雇用:22.34(3月28.87)
就業時間:-1.06(3月3.09)

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):11.5(3月3.5)
週平均就業時間:3.4(3月-11.4)
6か月先
雇用:20.6(3月14.4)
週平均就業時間:2.4(3月-4.2)

・リッチモンド連銀製造業景況指数
雇用(現状):7(3月6)
週平均就業時間:4(3月-4)
賃金:9(3月8)
6か月先
雇用:15(3月23)
週平均就業時間:12(3月8)
賃金:28(3月31)

・消費者信頼感指数
雇用(現状)
十分:19.1(3月21.0)
不十分:54.5(3月53.5)
困難:26.4(3月25.5)
雇用(6か月先予想)
増加:13.8(3月15.3)
減少:16.3(3月13.6)
不変:69.9(3月71.1)

・失業保険申請件数

     申請件数  前週比  4週平均  継続受給者数
04/18/15 296,000 1,000 285,000 2,253,000
04/11/15 295,000 13,000 283,000 2,327,000
04/04/15 282,000 15,000 282,500 2,275,000
03/28/15 267,000 -21,000 285,250 2,308,000
03/21/15 288,000 -5,000 300,250 2,327,000
03/14/15 293,000 0 305,250 2,413,000
03/07/15 293,000 -34,000 303,250 2,399,000

■市場予想
失業率:5.4%(3月5.5%)
非農業部門雇用者数:前月比+23万人(3月+12.6万人)
民間部門雇用者数:前月比+22.5万人(3月+12.9万人)《NO》

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