【中国の視点】ギリシャのユーロ離脱懸念が再燃、IMFは支援に難色

2015年5月6日 08:08

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記事提供元:フィスコ


*08:08JST 【中国の視点】ギリシャのユーロ離脱懸念が再燃、IMFは支援に難色
ギリシャのユーロ圏離脱懸念が再び高まっている。国際通貨基金(IMF)のギリシャ訪問団代表を務めるポール・トムセン氏はこのほど、欧州の債権者に対し、ギリシャがIMFからの援助を受けなくなる可能性があると示唆した。

トムセン氏の言うとおりならギリシャが求めている総額72億ユーロ(約9619億円)の援助が白紙になる。救済をめぐり、ギリシャは来週11日に欧州債権者と交渉する予定となり、上記支援額の半分はIMFから拠出される見通しだ。

IMFが支援を拒否し、欧州債権者が債務減免を認めなければ、ギリシャが5月中にも資金が底つくとみられている。トムセン氏は、ギリシャがIMFから支援を受けなければ、今年の財政赤字が同国の国内総生産(GDP)の1.5%まで拡大すると予測した。

中国の専門家は、ギリシャに残された選択肢について、◇緊縮財政を着実に実施すること◇欧州債権者が債務減免に同意することの2通りしかないと指摘した。

ただ、ギリシャや欧州の債権者らがともに譲歩したくない意思を示しており、間に挟んでいるIMFがリスクを背負いたくない意思が鮮明になっている。なお、IMFは3年前、ギリシャ支援計画のIMF負担金に対する支払いを拒否した経験があった。IMFは当時、「2020年までに負債残高の対GDP比率を110%まで圧縮する」という条件をギリシャに突き出した。現在の同比率はすでに176%まで上昇しており、いつデフォルトに陥ってもおかしくないといわれている。

なお、ギリシャはIMFへの負債のほか、今月中に28億ユーロの短期国債の償還期限を迎える。今年4-6月期には借り換えが必要となる短期国債残高は104億ユーロに上る。7月以降は欧州中央銀行(ECB)が保有するギリシャの債権も相次いで償還期限を迎える見通しだ。ECBは国債の借り換えについて、150億ユーロの上限を設けており、ギリシャは250億ユーロへの引き上げを希望している。《ZN》

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