関連記事
3月の百貨店売上高、前年比-19.7% 消費増税前の「駆け込み」反動大きく
日本百貨店協会が公表した3月の百貨店売上高は5441億円あまりで、前年同月比マイナス19.7%となった。昨年3月は消費増税前の「駆け込み需要」が大きく、売上高はプラス25.4%を記録していた。今年3月は、その反動減の影響に加え、昨年よりも休日が2日少なかったこともマイナスだった。
しかし、3月の売上を“増税特需”がなかった一昨年と比べてみると、プラス0.6%。反動減を除けば、概ね好調とみることもできる。好天に恵まれ、売上の約3割を占める衣料品部門では、春物衣料がよく売れた。中華圏の「春節休暇」も重なり、外国人観光客による消費も大きく伸びている。外国人観光客の恩恵を得られる東京、大阪をはじめ、札幌、名古屋、福岡など主要都市では、一昨年比で軒並みプラスとなっている。
ただ、増税前の駆け込み需要の反動減は大きかった。昨年3月と比べると、都市部、地方の全店舗で2ケタのマイナス。都市部では、名古屋が-25%、京都が同25.1%、大阪が同22.1%、仙台が同23.7%など、いずれも2ケタの落ち込みとなっている。一方、地方では中国エリアが-22.8%、四国が同22.2、北海道が同20%など、都市部と比べて反動減はやや小さい。駆け込み需要が都市部と比べ、それほど大きくなかった影響もあるだろう。
商品別では、食料品が-5.7%と比較的、小幅な減少にとどまった一方、その他の品目では大幅に減少した。都市部では訪日外国人観光客の「爆買い」もあったが、消費増税の反動減を補うまでには至らなかったようだ。増税前のまとめ買いの反動減が大きい「化粧品」は、前年比-25.8%、主力の「衣料品」も-18.8%と、減少が目立つ。「美術・宝飾・貴金属」にいたっては、前年比-44.9%と、反動減があからさまに現れた。
唯一見通しが明るいのは、訪日外国人による消費が好調な点だ。昨夏に行われた東南アジア諸国へのビザ緩和の影響や、円安効果、さらに3月下旬からの「花見ツアー」客の増加もプラスに働いた。外国人観光客による売上高は前年比+218.6%、客数は同251.7%と、ともに大幅増。高級ブランドや高級時計、化粧品のほか、日本酒や国産ウイスキーの売れ行きも好調という。(編集担当:北条かや)
■関連記事
・J・フロント、通販大手の千趣会と資本業務提携
・【百貨店、専門店業界の2015年2月期決算】地域、業態、企業によって強気と弱気が交錯
・地域とともに成長を-再編も視野に地銀の新たな取り組み
・久々のフォローの風を受けて“百貨店好調”。なかで伊勢丹新宿本店の新たな手法とその改装効果は?
・訪日外国人旅行者数、単月として過去最高「138 万7000人」を記録
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク