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中国新車販売市場に陰り、外資勢が実質値下げで攻勢
*12:25JST 中国新車販売市場に陰り、外資勢が実質値下げで攻勢
減速感が漂う中国の新車販売市場で、外資各社が実質値下げに動き出した。国内新車販売首位の上海大衆汽車(独フォルクスワーゲン(VW)と上海汽車の中国合弁)に追随する形で、各社が各種の優待サービスを打ち出している。シェア確保に向けた激しい値下げ競争が繰り広げられている状況だ。中国青年報が16日付で伝えた。
上海大衆汽車は今月7日、「ポロ」と「トゥーラン」の2車種について、メーカー小売希望価格の引き下げを発表した。調整幅は最大で1万人民元(約19万3000円)。同社にとって今年初の大幅な価格調整となった。メーカー値下げは、ここ2年来の中国新車販売市場でも極めて珍しい。「ティグアン」や「パサート」、「ラマンド」、「ラヴィーダ」などの人気車種についても、そろって販促価格を打ち出している。
その4日後に長安福特汽車(米フォード・モーターと長安汽車の合弁)が動きを見せた。4月30日までの期間限定で、新型「モンデオ」と「フォード・エッジ」を除く全シリーズについて、車両取得税相当を値引きすると発表。1万~3万人民元の実質値下げを行うことを明らかにした。さらにその翌日、北京現代(韓国・現代自動車と北京汽車の合弁)が「ix25」を除く全製品に関して、自動車ローンの利息を2年免除すると発表した。
週が明けた13日には、一汽大衆(独VWと第一汽車集団の合弁)が販促キャンペーンの実施を宣言。「保険料最大7800人民元の免除」、「下取り価格の上乗せ」、「自動車ローン金利最大ゼロ」の優待を今年6月30日まで継続すると発表した。
これら4社の価格戦への“宣戦布告”に、上海通用汽車(米ゼネラル・モーターズと上海汽車の合弁)も反応。傘下のシボレーブランドに関して、「中国事業10周年」を記念した総額10億人民元のキャッシュバックを実施すると公表した。
こうした背景にあるのは、乗用車市場の減速だ。中国汽車工業協会の統計によれば、乗用車販売台数は、前年同月比で今年2月が1.48%、3月が1.43%ずつ落ち込んだ。2カ月連続の前年割れは、15年間高度成長を続けてきた中国乗用車市場で初めて。2008年の世界金融危機の際もプラス成長を続けていた同市場の足元の落ち込みに、外資各社が危機感を抱いているようだ。
【亜州IR】《ZN》
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