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スワイプの方向で快・不快が変わる―身体の動作は直前の感情を書き換えることが明らかに
九州大学の佐々木恭志郎博士後期課程学生らによる研究グループは、「画像を見て生じた感情が、直後に画面を上にスワイプすると快くなり、下にスワイプすると不快になる」ことを発見した。写真:九州大学の発表資料より[写真拡大]
九州大学の佐々木恭志郎博士後期課程学生らによる研究グループは、人間の感情に関する新現象として、「画像を見て生じた感情が、直後に画面を上にスワイプすると快くなり、下にスワイプすると不快になる」ことを発見した。
ホームランを打った選手がガッツポーズをする、落ち込んだときに思わず下を向いてしまうなど、身体の動作は感情と関連しており、上向きの動作は快感情と、下向きの動作は不快感情と結びついている。これまでの研究で、身体動作が動作中や動作後の感情処理に影響を与えることは明らかになっていたが、身体動作が直前の感情処理に遡って影響を与えるかについては分かっていなかった。
今回の研究では、実験参加者にタッチパネルディスプレイ上に呈示された様々な感情を喚起する画像を観察してもらい、画像が消えた直後に画面中央に黒円が呈示され、参加者に、画面の表示に従ってその黒円を即座に画面上部あるいは下部に指でスワ イプし移動させることを求める実験を行った。
その結果、画像を見た直後に上にスワイプした場合には画像をより快く、下にスワイプした場合には画像をより不快に画像を評定することが明らかになった。しかし、画像を見て2秒後にスワイプしてもこの現象は起きなかったため、ある出来事と時間的に近接する様々な関連情報を統合することで後付け的に形成されていると考えられる。
今後は、身体状態や身体運動から感情状態を調整するような新たな情報呈示、展示、ゲーム・遊び、精神的健康の維持といった幅広く応用されることが期待されている。
なお、この内容は「Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences」に掲載された。
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