NYの視点:米6月FOMCでの利上げもまだ選択肢、4月、5月の雇用統計がより重要に

2015年4月9日 07:38

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記事提供元:フィスコ


*07:42JST NYの視点:米6月FOMCでの利上げもまだ選択肢、4月、5月の雇用統計がより重要に

米連邦準備制度理事会(FRB)は3月17-18日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を公表した。議事録では、6月の利上げについて意見が分かれたことが明らかになった。数人のメンバーは6月の利上げが正当化される可能性を指摘した一方、2名のメンバーは2016年の利上げを支持。他のメンバーは年後半の利上げを支持した。さらに、ドルや原油に関する言及も見られ、数人のメンバーはドル高が輸出や成長を損なうとの見解を示した。また、FOMCメンバーは国外のリスク、特に中国やギリシャが潜在的リスクとして見ている。

*利上げの時期
数人のメンバー:6月の利上げが正当化される可能性を指摘
他のメンバー:年後半の利上げを支持
2名のメンバー:2016年まで利上げを見送ることを支持

ただ、この会合は、予想を下振れた米3月の雇用統計発表前に開催されている。米ウォールストリートジャーナル紙のFEDウォッチャー、ヒルゼンラス氏は議事録から「特に新しいヒントはなかった」との見解。

予想外に下振れた3月の雇用統計、低調な製造業活動や小売にもかかわらず連邦公開市場委員会(FOMC)でも影響力のある2名のメンバーは、市場が予想しているよりも早くFOMCが利上げを開始、その後、注意深く行動していく可能性を指摘している。ダドリーNY連銀総裁はNYでの講演で、予想外に下振れた3月の雇用統計に関し「大きなシグナルはない」としたほか、「おそらく少しハードルが上がった」としながらも「6月利上げを検討するシナリオは想像可能」と6月連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを完全に削除しなかった。パウエルFRB理事は「3月の雇用統計にもかかわらず労働市場の進展は継続すると予想」「現在のコアインフレの水準で利上げが可能」「目標達成を待っているわけにはいかない」「今後数か月の指標で順調な回復が示唆されれば6月に利上げする可能性がある」と言及。6月のFOMC前に発表される4月、5月の雇用統計がより重要性を増した。《KO》

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