NYの視点:米2月JOLTは14年ぶり高水準も内容はまちまち

2015年4月8日 07:34

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記事提供元:フィスコ


*07:36JST NYの視点:米2月JOLTは14年ぶり高水準も内容はまちまち

米労働省が発表した2月JOLT求人件数は513.3万件と、市場予想の500.7万件を上回り、2001年1月以降14年ぶりの高水準となった。同指数は米国の労働市場の状況を判断する上でイエレンFRB議長が重要視している。解雇率が低下する一方で、求人率が上昇したことは好感材料となる。

しかし、詳細では9項目のうち、危機前の水準に回復した項目は3項目から2項目に減少。退職率も2月は1.9%と1月の2.0%から低下し、危機前の水準2.1%から遠のいてしまった。「就労者の労働市場への自信を表す」として、イエレンFRB議長は退職率を最も重要視している。雇用に関する指標は依然強弱まちまちで、6月の利上げの可能性を判断するには4月、5月の雇用統計待ちとなる。

○イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード

◎危機前に比べ状態が改善     危機前の水準と比較
2月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.1%(1月1.2%)1.4%(下回る)
2月求人率(Job openings rate):3.5%(1月3.4%)   3%(上回る)

◎状態が危機前より依然悪い
3月失業率(Unemployment rate):5.5%(2月5.5%)    5%(上回る)
3月雇用者数(Nonfarm payrolls):12.6万人     16.18万人(下回る)
2月退職率(Quits rate):1.9%(1月2.0%)     2.1%(下回る)
3月広義の失業率(U-6):10.9%(2月11.0%)    8.8%(上回る)
2月採用率(Hires rate):3.5%(1月3.5%)     3.8%(下回る)
3月長期失業率(15週以上):44.3%(2月46.5%)   19.1%
(27週以上):29.8%(2月31.1%、前年35.4%)
3月労働参加率:62.7%(2月62.8%)       66.1%(下回る)《KO》

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