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実質賃金、22ヶ月連続減。賞与は6年ぶりに増
一方で「景気回復傾向にある」という話もあれば、反対に「2014年4の消費税増税に伴う反動減の影響がまだ残っている」そういう話も聞こえてくる。はたして日本の経済は上向きにあるのか、それとも低迷し続けているのか、「良いニュース」の方を信じたい気持ちはあるものの、自分自身の生活において明確な変化が感じられない限りは、なかなか「景気回復傾向にある」「上向きにある」という話に納得することはできない。
そして「自分自身の生活における明確な変化」と言えば、やはり給与や賞与などが増えることではないだろうか。「お金がすべて」ではないものの、それら目に見える指標は、自分の「生活の安定」を判断する上でやはり欠かせないものだ。そして3日、厚生労働省が2月の毎月勤労統計(速報、5人以上の事業所)を発表。それによれば、1人あたりの平均現金給与総額は前年同月比0.5%アップの26万1344円という結果であった。ただし、物価上昇分を除いた実質賃金は前年同月比2.0%ダウンであり、これで22ヶ月連続で前年同月を下回ることとなった。また同日には14年の年末賞与(14年11月~15年1月に支給)の結果についても発表。それによれば、前年同月比1.9%アップの37万5431円であり、6年ぶりに前年同月を上回ることとなった。また伸び幅についても04年の2.2%アップ以来の高い水準であり、製造業、建設業、運輸業など幅広い業種で賞与が増えた。
現金給与総額を就業別に見てみると、一般労働者、パートタイム労働者ともに前年同月比0.8%アップという結果に総実労働時間は前年と同じ水準の142.6時間で、このうち残業などの所定外労働時間は前年同月比0.7%ダウンの10.9時間であった。
所定内給与は前年同月比0.5%アップと、これで2ヶ月連続でのプラス。そのうち正社員などのフルタイムで働く一般労働者は前年同月比0.7%アップ、パートタイム労働者は前年同月比1.0%アップだった。
また年末賞与を産業別に見てみると、製造業の伸び幅が大きく前年同月比4.9%アップ、そして医療、福祉が前年同月比3.1%アップ、卸売業、小売業が前年同月比1.5%アップとなっている。
平均現金給与総額、そして年末賞与については増加したものの、実質賃金については22ヶ月連続のマイナスと、景気の上向きを肌で実感するにはまだまだ時間がかりそうな気配だ。この実質賃金がプラスに転じた時に初めて、「景気がよくなって来たかもしれない」そう思えるようになるのではないだろうか。(編集担当:滝川幸平)
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