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NYの視点:米利上げの可能性探るため雇用指標に注目
*07:35JST NYの視点:米利上げの可能性探るため雇用指標に注目
投資家は先週末のイエレンFRB議長の発言をハト派と判断し、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが先送りされるとの見通しを強めている。米国の消費者の慎重な姿勢や悪天候が影響してか米国の支出が期待通り伸びないうえに、ドル高や海外の需要が落ち込んだ影響で製造業の活動も鈍い。欧州や中国の回復の低迷も米国経済の成長を損ねるとの懸念につながった。
ただ、米民間調査機関のコンファレンス・ボードが発表した3月の消費者信頼感指数は2007年以降で2番目に高水準を記録。今後消費が改善する可能性も否めない。また、連邦準備制度理事会(FRB)の2つの責務において進展が見られる。米連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ指標として最重要視しているコアPCEデフレーターの2月分は1.4%へ予想外に上昇。ただ、2%の目標には依然遠い。さらに、連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーがインフレ期待を見極める上で注目しているミシガン大学消費者信頼感指数の3月インフレ期待で1年は3.0%と2月の2.8%から昨年9月来の高水準に上昇。5-10年は2.8%と2月の2.7%から上昇した。
さらに、今週米労働省が発表する3月の雇用統計で労働市場の一段の改善見られると連邦公開市場委員会(FOMC)が掲げている金利に向けたフォワードガイダンス「労働市場の一段の改善と、インフレが中期的な目標である2%まで上昇するとの理にかなった自信が生まれたときに利上げに転じる」を満たし利上げを更に正当化しドルを支えることになる。
2015年のFOMC投票権を有するラッカー米リッチモンド地区連銀総裁は「6月会合で利上げを開始するゆるぎない主張が見られる」と述べている。民間のADPが発表する3月の民間部門の雇用者数が米雇用統計へのヒントとなる。《KO》
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