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東大、自己組織化を応用することでナノサイズのリボンを形成
今回の研究の概要を示す図。金を含む水溶液中にグラフェンを浸し、常温で静置すると、グラフェン上にシアン化金が自発的に整列し、ナノワイヤが形成される。ナノワイヤはグラフェンの結晶構造に沿って約60°ごとに並んでいる。グラフェンナノリボンも同じ向きに生成される(東京大学の発表資料より)[写真拡大]
東京大学の竹内昌治教授・李源哲特任助教は、無機ナノマテリアルがグラフェン上に自発的に規則正しく整列する現象を応用して、単層グラフェンの帯状構造を形成することに成功した。
大きさがナノメートルサイズ以下の素材「ナノマテリアル」が注目を集めており、既に電化製品から化粧品まで様々な製品に利用されている。これまで、ナノマテリアルの基板としてシリコンが多く用いられてきたが、強度が高く、分子構造が明らかになっているなどの特長から近年、グラフェンにも注目が集まっている。
今回の研究では、グラフェンと金を酸化剤であるペルオキソ二硫酸アンモニウム水溶液中に入れ、室温で17時間静置したところ、グラフェン上にジグザグ状の構造が多数観察され、透過型電子顕微鏡を用いた解析によって、このジグザグ形状は、ナノワイヤがグラフェンの結晶格子に沿って集合・整列することによって形成されていることが分かった。さらに、作製したナノワイヤを覆いとしてグラフェンをエッチングし、ナノワイヤを除去することで、幅およそ10nm、厚み1nm以下のナノリボンを作製することに成功した。
今後は、スピントロニクス用のデバイス部品、グラフェン結晶の観察ツール、タンパク質やDNAを検出するバイオセンサ技術などに応用できると期待されている。
なお、この内容は「Nature Nanotechnology」に掲載された。
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