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カマンベールチーズに、アルツハイマー病予防につながる効果 東大など発見
アルツハイマー病モデルマウスの脳内(大脳皮質)におけるAβ沈着を示す写真。被験食群では茶色のAβが減少している。右のグラフは脳内の可溶性Aβを測定したもので、やはり被験食群でAβ量が有意に減少している(東京大学などの発表資料より)[写真拡大]
東京大学の中山裕之教授やキリン株式会社、そして小岩井乳業株式会社による共同研究グループは、発酵乳製品の一種であるカマンベールチーズを摂取することで、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβの脳内沈着が抑制されることを明らかにした。
高齢者の増加に伴い、認知症が大きな社会問題となっている。これまでに、チーズ等の発酵乳製品を摂取することで認知機能の低下が予防されるという疫学的な報告はあったものの、その詳細なメカニズムは解明されていなかった。
今回の研究では、市販のカマンベールチーズの脂肪成分を除いた被験食を調製し、アルツハイマー病自然発症モデルマウスに3カ月間被験食を与える実験を行った。その結果、アルツハイマー病の原因物質アミロイドβの量が有意に低下していることが分かった。
また、カマンベールチーズなど白カビで発行させた製品が、脳内でアミロイドβの除去や免疫機構を担っているミクログリアという細胞を最も強く促進することが判明した。さらに、この発酵によって生じる成分をガスクロマトグラフィー質量分析計により分析したところ、オレイン酸アミドおよびデヒドロエルゴステロールを有効成分として同定することに成功した。
今後は、本研究成果が認知症予防に繋がると期待されている。
なお、この内容は「PLOS ONE」に掲載された。
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