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理研、原発由来の放射性セシウムを非破壊で測定する装置を開発
理化学研究所のカソリーノ・マルコチームリーダーらによる研究グループは、食品に含まれる天然由来の放射性カリウムと区別して、原発事故に由来する放射性セシウムの放射能を非破壊で測定できる測定器を開発することに成功した。
福島第一原発事故の風評被害を防ぐ1つの手段として、すべての食品の放射能を測定し客観的に安全性を示すことが有効である。しかし、従来の放射能測定器は放射線(ガンマ線)を感知し発光する部分(シンチレータ)が底面にあるため、食品の形によっては、正確な測定が難しいという問題があった。そのため、食品をミキサーにかけ小さく破砕し、シンチレータにできるだけガンマ線が届くようにする作業が必要となっていた。
今回の研究では、材料費が安く成形が簡単なプラスチックシンチレータを使った放射能測定器「LANFOS(Large Area Non-destructive Food Sampler)」を開発し、測定した光子数分布の形から、放射性のカリウムとセシウムの割合を算出することを可能にした。この測定器を使えば、食品500gに含まれる放射性セシウムを15分程で測定することができるという。
実際に、2014年11月1〜2日に福島県南相馬市で行われた「JAまつり」に参加し、ジャガイモ、サツマイモ、キャベツ、大根、梨といった食品の放射能を測定したところ、生産者からは「測定器が簡便であり便利であると同時に、実際の放射能を示すことで、消費者に安心して買っていただける」と好評だったという。
今後は、試験操業が始まった小名浜港(福島県いわき市)の本格的な操業再開に合わせて、箱詰めされた魚介類をそのまま測定できる大型の放射能測定器の開発に着手する予定となっている。
なお、この内容は日本物理学会第70回年次大会(3月24日)で発表される。
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