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京大、丸い円盤銀河が出現した時期は70億年前であることを明らかに
丸くなる円盤銀河の進化のイメージ図(京都大学の発表資料より)[写真拡大]
京都大学の太田耕司教授らによる研究グループは、ハッブル宇宙望遠鏡の撮像データを解析することによって、丸い円盤銀河が出現した時期は現在から約70億年前であることを明らかにした。
銀河には、星やガスが回転運動をしており渦巻き模様の見られる円盤銀河と、星がランダムな運動をしており模様の見えない楕円銀河の2種類がある。渦巻き銀河では、星やガスが円盤状に分布しており、円盤銀河とも呼ばれる。銀河の形態進化は重要な問題だが、近赤外線域での角分解能の高い観測が困難であったため、これまでよく分かっていなかった。
今回の研究では、赤方偏移2.5-1.4(宇宙年齢26億年から44億年)の時代、1.4-0.85(44億年から64億年)の時代、0.85-0.50(64億年から84億年)の時代と約20億年ごとの時代に分けて、統計的に銀河の形に制限をつけた。その結果、厚みに相当するC/Aの値はほぼ不変で現在の円盤銀河と同じであるのに対して、円盤の歪を表すB/Aの最頻値は各時代で0.81、0.84、0.92 となり、最後の値は現在の宇宙に見られる円盤銀河の丸さである0.95とほぼ一致していることが分かった。つまり、形の進化は徐々に起こっているようで、概ね赤方偏移0.85付近になると、ほぼ丸い円盤になってきたと言ってよいと考えられる。
研究メンバーは「今回の研究で、円盤銀河が丸い円盤になったのは70億年ほど前であることがわかりましたが、どうやってだんだん丸くなったきたのかはまだよくわかりません。銀河の中心にある「バルジ」と呼ばれる構造が急激に成長し、その影響で丸くなったという可能性も考えられますが、そもそもどうやってバルジができて、現在の宇宙に見られるような円盤銀河の構造に進化したのかという問題も大きな研究課題です。このような銀河構造の進化については、建設の始まった30m望遠鏡によって大きく研究が進展するものと期待されます」とコメントしている。
なお、この内容は「The Astrophysical Journal」に掲載された。
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