異物混入のマクドナルドの株価を支える株主優待券

2015年2月22日 20:13

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記事提供元:エコノミックニュース

筆者は休日、家族で出かけた際にお昼に何を食べるか、という話になった時に小学生の息子が「マックはやめておこう」と言いだす始末だ。マックは危ないというイメージが小学生にまで浸透しているのだ。

筆者は休日、家族で出かけた際にお昼に何を食べるか、という話になった時に小学生の息子が「マックはやめておこう」と言いだす始末だ。マックは危ないというイメージが小学生にまで浸透しているのだ。[写真拡大]

 マックナゲットの消費期限切れ鶏肉使用問題が鎮静化してきたかと思えば、今度は異物混入問題が立て続けに発生。最近のマックは踏んだり蹴ったりだ。筆者は休日、家族で出かけた際にお昼に何を食べるか、という話になった時に小学生の息子が「マックはやめておこう」と言いだす始末だ。マックは危ないというイメージが小学生にまで浸透しているのだ。

 この影響は日本マクドナルドホールディングス<2702>の2014年12月期連結決算に如実に表れている。218億円の赤字だ。赤字転落は11年ぶり。売上高と利益は両方とも大きく落ち込んでいる。これからの業績見通しも明確ではなく、先行きの不透明感はいなめない。

 これだけの悪材料が出ているにもかかわらず、マックの株価は意外なことに持ちこたえている。1月13日に付けた年初来安値2451円を下回ることがない。市場関係者は2500円を多く下回る場面も想定していただけに、肩すかしをくらった感じだ。

 株価が下がるのは、その株が売られるからだ。どんなに業績が悪化しても株が売られなければ株価は下がらない。日本マクドナルドホールディングスの株は米マクドナルド本社と27万人の個人株主が発行済み株式の9割近くを保有しており、浮動株が少ない。短期投資目的で売ったり買ったりされる株式の量が少ないので、悪材料が出てもそこまで暴落しないのだ。

 この個人株主のねらいは株主優待券だ。全国のマクドナルドで使えるお食事券が優待券として配布されている。サンドイッチ、サイドメニュー、ドリンクの商品引換券が6枚ずつのものを100株で1冊もらえる。家族で利用しやすいと好評だ。

 株主優待名人がテレビや雑誌で話題になっている。名人・桐谷さんの投資スタンスは、配当や優待をもらって株価が上がるのを気長に待つというものだ。優待目当ての投資家は株を長期保有してなかなか売ろうとしないので悪材料が出た時に株価を下支えしてくれる。マックの株価は多くの桐谷さん達に支えられているのだろう。(編集担当:久保田雄城)

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