沖縄科術大、4種類の非球状粒子を作製する技術を開発

2015年2月16日 20:19

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今回の研究から生み出された4種の形状(左から、楕円状、キノコ状、フレーク様形状、円盤状)。衝突速度や各流体の温度、液滴を滴下する液体層の密度等の要素を調節することで得られる(沖縄科学技術大学院大学の発表資料より)

今回の研究から生み出された4種の形状(左から、楕円状、キノコ状、フレーク様形状、円盤状)。衝突速度や各流体の温度、液滴を滴下する液体層の密度等の要素を調節することで得られる(沖縄科学技術大学院大学の発表資料より)[写真拡大]

 沖縄科学技術大学院大学のエイミー・シェン教授らによる研究グループは、溶かしたワックス(蝋)の液滴を冷却液中に滴下することで、4種の非球形状を繰り返し確実に作製できる技術を開発した。

 非球状粒子は、大きな表面積や高い充填密度、外部電界や磁界に対する特異的な反応等の特性を持つため、食品加工、化粧品等の消費財、吸収剤、薬物送達システムなど幅広く役立てることができる。

 今回の研究では、溶かしたワックスと低温液体媒質の間の衝突・凝固現象を利用して非球状粒子を作製する際に、温度や液体層の温度、液体層の密度及び粘度、溶融液滴の衝突速度等多くの変量を考慮することで、楕円状、キノコ状、フレーク様形状、円盤状の4種類の形状を作製することができることを明らかにした。

 研究メンバーは、「本研究は基礎物理学の研究としてユニークであると考えています。また産業的応用の観点でも非常に重要です。この方法はシンプルかつ低コストであり、さらにサイズの最適化も簡単にできるからです」とコメントしている。

 なお、この内容は「Journal of Colloid and Interface Science」に掲載された。

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