欧米アパレル各社が中国産アンゴラに「NO」、ウサギ虐待と非難

2015年2月16日 09:32

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記事提供元:フィスコ


*09:33JST 欧米アパレル各社が中国産アンゴラに「NO」、ウサギ虐待と非難
欧米のアパレル大手各社が続々と、アンゴラ製品の販売を中止している。直近では、ファストファッションブランド「ZARA(ザラ)」などを展開するスペインのインディテックスが10日、傘下の6400店舗すべてでアンゴラウサギの毛を使用した製品の販売を停止すると発表した。アンゴラウサギの毛は中国を主産地とするが、その生産過程でウサギを“虐待”しているとの非難が高まっているためだ。地元メディアが12日伝えた。
世界で供給されるアンゴラウサギの毛は約9割が中国産。肌触りの良さが人気だが、その生産過程に対しては、動物愛護団体のPETAが2013年から反対キャンペーンを展開してきた。PETAは同年、中国山東省の農場で撮影したショッキングな映像を公開。その映像では、ウサギの足をひもで縛るなどし、生きたまま毛をむしり取るという乱暴な作業の様子が記録された。声帯がないため本来は鳴かないとされるウサギだが、この映像では大きな鳴き声を上げているという。
PETAの活動を受け、すでに「ASOS(エイソス)」「カルバン・クライン」「トミー・ヒルフィガー」などの国際的なアパレルブランドがアンゴラウサギの毛を使った製品の販売を停止している。インディテックスも流れに従った格好で、約88万米ドル分の在庫については、レバノンのシリア難民に寄付する方針を明らかにした。
欧州では、中国からのアンゴラ輸入を停止した国も少なくない。そうしたなか、中国のアンゴラ輸出は大きなダメージを受けているといい、価格も大幅に下落している。
ただ、国内では一方的な批判に反発の声も上がっている状況だ。中国の皮革業界関係者によれば、PETAが暴露したような“生きたまま毛を抜く”方法が広く用いられているわけではないと強調。生産者の立場から見ても、ハサミなどで毛を刈る方法が経済的にも、心理的にもより負担が少ないと説明している。

【亜州IR】《ZN》

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