NYの視点:米LMCI、年末に向けた労働市場の改善示唆との見方も

2015年2月10日 07:02

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記事提供元:フィスコ


*07:04JST NYの視点:米LMCI、年末に向けた労働市場の改善示唆との見方も

米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した1月の労働市場情勢指数(LMCI)は4.9ポイントの上昇と、昨年12月の7.3ポイント上昇から上昇ペースが鈍化した。一方、12月分は速報の6.1ポイント上昇から7.3ポイントの上昇と、2014年4月以降で最高に上方修正された。労働市場の現状を正しく把握するため米連邦準備制度理事会(FRB)は労働市場の状況の変化を評価する新たな手段のひとつとして同指数の発表を昨年10月から開始。イエレンFRB議長をはじめとする連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーはたびたび、失業率が労働市場を正しく反映していないとしていた。同指数は19の雇用指標から構成されている。

結果は労働市場が引き続き拡大しているもののたるみ(slack)が依然くすぶっていることが示された。ただ、指数は第4四半期の平均6.2ポイントの上昇を下回ったものの第3四半期の平均4.2ポイントの上昇はかろうじて上回った。英バークレイズ銀のエコノミストは顧客向けレポートの中で、LMCIの結果は年末までに労働市場が危機前の水準に戻ることを示唆しているとの見解を示した。労働市場の正常化は6月の連邦公開市場委員会(FOMC)による利上げ開始見通しを支援するとしたほか、労働市場が歴史的にFRBの利上げサイクルの初期の段階で改善を続けると説明した。FOMCメンバーや投資家は米労働省が発表する昨年12月分のJOLT求人件数で労働市場の改善具合を判断することになる。《KO》

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