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NYの視点:米利上げを織り込むドル買い、「6月17日は休まないように」とのレポートも
*07:39JST NYの視点:米利上げを織り込むドル買い、「6月17日は休まないように」とのレポートも
2月3日付けのシカゴIMM、投機・投資家筋のポジションで円の売り持ち高は前週から一段と減少し昨年7月以来で最小となった。市場の円売り持ち高が減少していたことも一因となり、週末の雇用統計を受けた円の売り戻しに拍車をかけた可能性がある。一方、ユーロの売り持ち高は、前週に続き2012年6月末以来で最大を記録した。
■来週のポイント
米1月の雇用統計はゲームチェンジャーとなった。6月の利上げ観測を織り込むドル買いが優勢となると予想される。イエレンFRB議長が労働市場を見極めるために注視している12月JOLT求人で、米国の労働市場の強さを再確認することになる。国際イベントとしてはトルコ、イスタンブールで開催される20カ国・地域(G20)首脳会合に注目。リスクはギリシャやウクライナ情勢が挙げられる。プーチン露大統領、オランド仏大統領、メルケル独首相の3社会談を受けたウクライナ情勢を睨んだ展開となる。ギリシャ情勢では28日に救済プログラム期限まで交渉が継続する可能性があり懸念材料としてくすぶる。
●20カ国・地域(G20)首脳会合
2月9-10日:トルコイスタンブールでG20
ラガルドIMF専務理事はG20に向けて、成長を押し上げ、改革ペースに拍車をかけるよう要請する。カナダの高官筋によると、G20がおそらく中央銀行の行動を支持する見通しだとした。
●ギリシャ
11日:臨時ユーロ圏財務相会合、ギリシャに関する協議
12日:EUサミット、ギリシャ首相と会談
新ギリシャ政府はほとんどの欧州諸国から反対されたため債務減免の提案を取り消した。3か月のつなぎ融資で資金を調達する間に協議を継続する意向だったが、欧州中央銀行(ECB)が承認するとは思えない。また、ダイセルブルーム・ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長はギリシャが要請していたつなぎ融資を承認しない方針。また、ユーロ圏は追加の短期証券の発行も承認しない方針を示した。欧州中央銀行(ECB)はギリシャの救済プログラムの行方が不透明となったため、担保としてのギリシャ国債の特例措置を解消。一方、ギリシャ中央銀行に対する緊急流動性支援(ELA)を約600億ユーロに拡大することを承認した。
欧州のレバレッジは2011年の欧州債務危機時にギリシャと同様に高債務に悩まされていた諸国の状況が大幅に改善しており、ギリシャのユーロ離脱がかえって欧州にとりプラスとの見方が浮上していることが挙げられる。一方、ギリシャのレバレッジは欧米から制裁を受けているロシアからかわって支援を受けることにあると思われる。救済策がまとまらないと3月の初旬までにギリシャは資金が枯渇する。欧州側は救済策の延長要請を2月16日まで提示する必要があるとギリシャに通告した。協議の難航を見越して、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)や米格付け会社ムーディーズはギリシャの一段の格下げの可能性を示唆した。
●米国
9日:1月労働市場指数(12月6.1)、パウエルFRB理事講演
10日:12月JOLT求人(495万件、11月497万件)、ラッカー米リッチモンド地区連銀総裁講演(経済)
11日、13日:フィッシャー米ダラス連銀総裁
米労働省が発表した1月雇用統計は「ゲームチェンジャー」との見方が強まった。3月会合で利上げに関するフォワードガイダンスにおいて「忍耐強く」という文言が削除され6月の利上げに向けて準備されるとの見方が強まっている。UBS銀のエコノミストは6月のFOMC結果が発表される「17日は休まないように」との題名のレポートを出した。1月の雇用統計で、*労働参加者の増加、*非農業部門雇用者数の大幅な上方修正、*民間部門雇用者数の増加、*賃金の伸びの拡大が労働市場の一段の改善をあらわす。
失業率は5.7%と、予想外に12月の5.6%から上昇したものの労働参加者の増加によるものとして好感されている。労働参加率は62.9%と予想外に1978年来の低水準から上昇。非農業部門雇用者数は前月比25.7万人増と市場予想を上回ったほか、昨年11月、12月の2ヶ月で14.7万万人上方修正された。昨年12月は25.2万人から32.9万人、11月は従来の35.3万人から42.3万人にそれぞれ上昇修正され、2010年5月以来の大幅な伸びを記録した。民間部門の雇用者数も前月比26.7万人増と、市場予想の22.2万人増を上回った。12月分は従来の24万人増から32万人増に上方修正された。11月分は1997年9月以降ほぼ17年ぶりの大幅な伸びとなった。
イエレンFRB議長が特に注視している賃金も昨年12月のマイナスからプラスに改善。伸び率は2008年11月以来で最大となった。
連邦公開市場委員会(FOMC)でも雇用のたるみが引き続き解消されていると、労働市場に関する評価が上方修正された。12月JOLT求人でさらにイエレンFRB議長の雇用のたるみダッシュボードを確認していくことになる。
○イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード
◎危機前に比べ状態が改善----危機前の水準と比較
11月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.2%(10月1.2%)----1.4%(下回る)
1月雇用者数(Nonfarm payrolls):25.7万人(12月32.9万人)----16.18万人(上回る)
11月求人率(Job openings rate):3.4%(10月3.3%)----3%(上回る)
◎状態が危機前より依然悪い
1月失業率(Unemployment rate):5.7%(12月5.6%)----5%(上回る)
11月退職率(Quits rate):1.9%(10月1.9%)---- 2.1%(下回る)
1月広義の失業率(U-6):11.3%(12月11.2%)----8.8%(上回る)
11月採用率(Hires rate):3.6%(10月3.7%)----3.8%(下回る)
1月長期失業率(15週以上):47.1%(12月46.5% 、前年同月52.2%)----19.1%(上回る)
1月労働参加率:62.9%(12月62.7%)----66.1%(下回る)
●地政学的リスク
ウクライナ紛争
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン
7-8日:独、ミユンヘンで安全保障会議、ケリー米国務長官がセルゲイラブロフ露外相と会談
【2/3IMM】
*日本円
ネット・円売り持ち:-59,571(2/3)←円売り持ち:-64,658(1/27)(直近ネット円買い持ち最高水準:08年3/25+65,920、04年2/6+64499)(過去最高ネット円売り持ち高:07年6/26-188,077)
*ユーロ
ネット・ユーロ売り持ち:-196,309(2/3)←ユーロ売り持ち:-184,745(1/27)(07年5/15:+119,538過去最高買い持ち高、10年2/9-57,152過去最高の売り持ち高)
*ポンド
ネット・ポンド売り持ち:-42,398(2/3)←ポンド売り持ち:-45,340(1/27)(07年7/22:直近ネット買い持ち高最高水準+98,366)
*スイスフラン
ネット・スイスフラン売り持ち:-5,350(2/3)←スイスフラン売り持ち:-7,373(1/27)(過去最高スイスフランネット売り持ち高:07年6/19:-79,331)
*加ドル
ネット・加ドル売り持ち:-27,321(2/3)←加ドル売り持ち:-23,963(1/27)(直近ネット買い持ち高最高水準:07年10/12+83001)
*豪ドル
ネット・豪ドル売り持ち:-56,159(2/3)←豪ドル売り持ち:-48,943(1/27)
*NZドル
ネット・NZドル売り持ち:-4,497(2/3)←NZドル売り持ち:-3,659(1/27)
*メキシコペソ
ネット・ペソ売り持ち:-48,237(2/3)←ペソ売り持ち:-44,573(1/27)(直近買い持ち高最高:08年2/29+125,000)《KO》
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