NYの視点:2015年のドルの上昇ペースは緩やか

2015年2月6日 07:01

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記事提供元:フィスコ


*07:04JST NYの視点:2015年のドルの上昇ペースは緩やか

米連邦公開市場委員会(FOMC)は本年半ばの利上げに向けた道筋を維持している。米国の経済は依然、他国に比べて強い。しかし、最近の成長ペースには失望感も強く、利上げの先送り観測も強まりつつある。国内総生産(GDP)に重要な影響を与える10-12月期の労働生産性は速報値で前期比年率で1.8%減と、予想外に昨年1-3月期以来のマイナスとなったほか、12月の貿易赤字が予想外に2012年11月以降ほぼ2年ぶりの規模に拡大した。

この結果を受けて、金融機関は昨年10-12月期の国内総生産(GDP)の見通しを引き下げた。米商務省が発表した10-12月期国内総生産(GDP)速報値は2.6%成長だった。バークレイズ銀行のエコノミストは見通しを従来の2.5%から2.3%に引き下げ。ネットの輸出が政府の見込みを110億ドル下回ったことを指摘。米JPモルガン銀のエコノミストは2%成長と大幅に下方修正されると見ている。

利上げ観測を受けて、ドルは引き続き上昇基調にあることは確か。しかし、世界的に広がる金融緩和、金利低下の影響や原油安を受けて上昇ペースが鈍化しつつある。原油安の影響を受けて、石油関連企業での雇用削減にも拍車がかかっている。米チャレンジャー、グレイ&クリスマス社の統計によると、米国企業の1月雇用削減計画数は前年比17.6%増の53041人と2013年2月以降ほぼ2年ぶりの高水準に達した。このうち40%を占める21322人は石油関連企業の雇用削減数。

来週、トルコのイスタンブールで9日、10日に開催される各国地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、各国中央銀行の行動が承認されると見込まれている。《KO》

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