(中国)14年のFDI受入額、米国抑え11年ぶり首位に

2015年2月2日 09:32

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記事提供元:フィスコ


*09:34JST (中国)14年のFDI受入額、米国抑え11年ぶり首位に
中国は海外直接投資(FDI)受入額で、03年以来11年ぶりに世界トップに浮上した。国連貿易開発会議(UNCTAD)が29日発表した最新統計によると、中国のFDI受入額は14年に前年比3.0%増の1276億米ドル(約15兆800億円)に拡大。一方、前年首位の米国は62.7%減の860億米ドルに落ち込み、中国だけでなく、香港にも追い抜かれた。
中国のランキング上昇は、「新興国投資の拡大」という時代の流れに沿ったもの。新興国のFDI受入額が全体に占める比率は56%と、前年の52%からさらに拡大した。08年の金融危機前の水準に比べると、ほぼ倍増している。
中国経済の安定的な成長が続くなか、UNCTADは今後も中国への投資が拡大すると分析している。また、投資の構造としては、製造業からサービス業へ、労働集約型から技術集約型へ移行が進んでいると指摘した。
もっとも、英ボーダフォンが合弁会社の株式を米ベライゾン・コミュニケーションズに売却していなければ、米国が引き続き首位だった可能性がある。ボーダフォンは1300億米ドルで、米合弁会社ベライゾン・ワイヤレスの株式をベライゾンに売却している。UNCTADのFDI受入額は投資引き揚げ分を相殺するため、米国の受入額が目減りする格好となった。
なお、中国商務部の発表によると、14年のFDI受入額(実行ベース、金融部門含まず)は1195億6000万米ドル。一方で、中国によるFDIは前年比14.1%増の1029億米ドルに達し、両者の差は160億米ドル余りまで縮小した。同部は中国が近く、「純対外投資国」になる見込みとしている。

【亜州IR】《ZN》

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