2014年に人員削減した上場企業は4割減の31社 2000年以降で最少=東京商工リサーチ

2015年1月14日 17:25

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主な上場企業の希望・早期退職者の募集状況の推移を示す図(東京商工リサーチの発表資料より)

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 信用調査会社の東京商工リサーチが13日発表した2014年の「希望・早期退職者募集状況」調査によると、希望・早期退職者の募集実施を公表した上場企業数は前年比4割減の31社だった。2年連続で前年を下回り、調査開始の2000年以降で最少となった。また、募集人員は7098人と、前年の1万782人から、3年ぶりに1万人を下回った。アベノミクスに伴う円安の進行で、輸出企業を中心に業績が改善したことが大きな要因と見られる。

 募集または応募人員が最も多かったのは、ルネサスエレクトロニクス(グループ会社を含む)の応募者2,782人、次いで日立化成(同)の同1,248人、東京電力の同1,151人、JVCケンウッドの募集400人、エーザイの応募者396人、ベネッセホールディングス(同)の募集300人などとなっている。募集または応募人員が100人以上の企業数は9社(前年26社)で、前年の3分の1と大幅に減少した。

 業種別で最も多かったのは、ルネサスエレクトロニクス、ソニーなどの電気機器の7社だった。この中には、スマートフォン向けリチウム電池の受注減を受け、早期退職者募集に踏み切った日立マクセルも含まれる。韓国大手電機メーカー、サムスンの業績不振が影響したと見られ、サムスンと取引がある他の企業への波及が懸念されている。電気機器に次いで、化学、情報通信、その他製造がそれぞれ3社となっている。このほか、経営再建中の東京電力とベネッセホールディングスも、創業以来初めて希望退職者を募集した。

 人員削減の動きは2014年で落ち着いた感もあるが、2015年年初には、大手広告代理店の電通が、業績は好調だが、従業員の転身を後押しする形で早期退職者募集に踏み切っている。業績の好不調に関わらず、将来のビジネス展開を見据えた新たな人員削減の動きの可能性もあり、東京商工リサーチでは今後の動向を注目している。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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