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『景気不調』、『企業々績好調』の片肺飛行相場が継続、好利回り銘柄狙いが活発へ=犬丸正寛の相場展望
昨年暮れから下げていた日経平均は1万6000円の水準に接近したところで底打ち反発に転じた。NYダウ上伸の支援はあるものの、『下値は1万6000円、上値は1万8000円台』という、年初の大方の見方通り、まずは1万6000円水準で押し目買いという展開である。
マーケットで取材すると、『企業々績がよいので下値に対する不安は乏しいが、全体の景気(GDP)に期待が持てないので直ちに上値を追うことも難しいだろう』との声が多い。 こうしたことから導き出される答えとしては、『値幅狙いより配当狙い』ということのように思われる。とくに、10年物国債利回りが0.28%程度の歴史的な低水準に落ち込んでいる中で東証1部平均の配当利回りは1.4~1.5%と国債利回りの5倍前後と高い。個別銘柄で見ても、新日鐵住金で約1.75%と国債の6.2倍となっている。さらにチエックすれば配当利回り3%程度の銘柄は数多くある。
しかも、企業々績がよいから総じて株価の下値不安は乏しいとみていい。
とくに、3月期決算銘柄については、これから約2カ月の投資期間で好利回りが享受できる。資金運用難の機関投資家には魅力ある存在ではなかろうか。新しい年のNISAについて個人投資家の買いも予想されそうだ。
一方、値幅狙いについては、外部環境に不透明感が多く、本腰を入れて買い難い。とくに、今回のフランスでのテロは、イスラム国問題とも絡んで、今後、もっとも警戒すべき材料である。
それと引き換えにテロに立ち向かう共通認識でG20など世界が一致結束ということから、ウクライナ、原油、ユーロなどの問題が悪材料としての座から降りる可能性は期待できるだろう。
アメリカは、『景気』と、『企業々績』の2つのエンジンが好調に回転している。このため、波乱はあってもNYダウの堅調は持続するものとみられる。とくに、外部環境の悪いことからアメリカの金利引上げは簡単には実現しないだろうから景気、企業々績の下押し懸念は薄れる。
日本の場合は、『景気不調』、『企業々績好調』という片肺飛行の中で3月期決算接近と共に好配当利回り銘柄狙いが本格化するものとみられる。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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