【中国の視点】円安が日本産業空洞化の解消につながるか、生産拠点の本国回帰相次ぐ

2015年1月7日 08:04

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記事提供元:フィスコ


*08:04JST 【中国の視点】円安が日本産業空洞化の解消につながるか、生産拠点の本国回帰相次ぐ
パナソニック<6752>はこのほど、同社が手がける40種類の家電製品の生産を中国など海外から静岡県袋井市の工場に戻す計画を示した。中国における人件費の上昇や円安の進行を受け、海外で生産するメリットがなくなっているほか、静岡県の雇用創出にも寄与できるためだ。

パナのほか、ダイキン<6367>も家庭用エアコンの生産を一部滋賀県の工場に任せている。また、シャープ<6753>も大阪府八尾工場の冷蔵庫の生産ラインを拡大する計画を示した。円の対米ドル為替レートが現水準あるいは一段の円安が進んだら、こうした生産拠点の本国回帰が一段と進む可能性があるとみられている。

中国の専門家は、中国経済が成長モデルの転換に迫られていると指摘。輸出拡大などを通じて経済発展を促進するという従来の手法はもはや通用しないとの見方を示した。また、中国政府も消費や内需拡大に注力する姿勢を示している。そのため、給与の一段上昇や人民元安を推進しない公算が大きいとみられている。

なお、人民元の対円為替レートは2012年9月の1元=12円台から2014年12月の1元=19円台まで上昇したほか、中国国内の最低賃金は年2ケタで上昇し続けている。《ZN》

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