【どう見るこの相場】原油相場の行方

2014年12月16日 10:41

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■始めて出てきた1バレル・40ドルのメッセージ

原油相場とNYダウが続落している。まだ、下がるのか。

原油相場は1バレル・55ドル台まで下げ、NYダウも15日(月)は99ドル安と続落、円・ドルは117円台へドル安・円高が酢スンでいる。原油相場については2008年12月の33ドル台までフシはなくなっている。

逆オイルショックと呼ばれているが。

かつては、原油価格が急騰すれば先進工業国にとって圧迫になるとして第1次、第2次オイルショックを経験した。その当時は、先進工業国の景気が好く原油に対する需要が旺盛だった。最終的にはオペックが増産することで決着した。今回は先進工業国の経済はアメリカ以外不振で需要は減少している。にもかかわらず原油が下がっているのは政治的駆け引きとしか言いようがない。本来なら需要減少に見合う分を減産によって価格維持をするはずだが、それを敢えてやらないというのだから政治的な思惑ということになる。

価格が下がることでオペックには、どのようなメリットがあるのか。

アメリカのシエールガスに対する牽制だろう。シエールガス開発関連企業は高い金利で調達しているといわれる。採算ラインの60ドルを割り込むと経営的に危なくなってくる。この点をオペックは突いているといえる。

オペックにとっても収入減でマイナスと思われるが。

その通りだが、なにしろ、オペックはこれまで原油高で懐には資金が十分で余裕がある。むしろ、資金不足は欧州などの方だ。産油国がモノを買ってくれなければ困るのは先進国で金融面からギブアップとなる国が出ることも予想される。この点が逆オイルショックといわれる。

いつまで続くのか。

正直、分からない。先進工業とオペックの話し合いが、いつ行われるかに掛かっている。ただ、「ショック」と名の付くことは、結果的には誰のプラスにもならないわけだから、先進国とオペックがどこで話し合いの場をもつかにかかっている。一つだけ注目される点は、オペック側から40ドルになっても減産は続けるという、始めて具体的な数字のメッセージが出てきたことだ。この点を先進国が受け止めて会議のテーブルに着けば逆オイルショックは終息するはずだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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