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東大、インフルエンザの増殖に関わる宿主タンパク質を明らかに
今回の研究の概要を示す図(研究グループの発表資料より)[写真拡大]
東京大学の河岡義裕教授・渡邉登喜子特任准教授らによる研究グループは、インフルエンザウイルスの増殖に関わる約300個の宿主タンパク質を明らかにした。
これまでのインフルエンザに対する抗ウイルス薬は、ウイルスのタンパク質に作用するため、ウイルスの変異によって薬が効かなくなることがあった。そのため、宿主側のタンパク質に作用してウイルスの増殖を抑える薬の開発が期待されているが、インフルエンザウイルスの増殖に関わる宿主タンパク質は明らかになっていなかった。
今回の研究では、ヒトの培養細胞に11種類のインフルエンザウイルスタンパク質を発現させ、相互作用を起こす1,292個のヒトタンパク質を同定した。さらに、これら1,292個の宿主因子の遺伝子発現を抑制する細胞を製作し、インフルエンザウイルスを感染させたところ、323個がインフルエンザウイルスの増殖効率に影響を与えることが分かった。
本研究成果を元に、「インフルエンザ制圧を目指した次世代ワクチンと新規抗ウイルス薬の開発」プロジェクトが本年より開始されており、革新的なインフルエンザ治療薬の開発などが期待されている。
なお、この内容は11月20日に「Cell Host and Microbe」オンライン速報版に掲載された。
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