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「ハプニング相場」に続くのは「双発エンジン相場」で補正予算関連株を先取りマーク=浅妻昭治
<マーケットセンサー>
「サプライズ」を通り越して、これはもう「ハプニング相場」である。日経平均株価は、連休前の10月31日13時央に日銀の追加金融緩和策が伝わった途端に、755円高と大幅続伸するとともに、米国のニューヨーク・ダウ平均株価を上場来高値にまで押し上げ、為替相場は、1ドル=113円台と6年10カ月ぶりの円安となり、世界同時株安ムードを世界同時株高期待に一変させたからだ。
この「ハプニング相場」は、同じ11月ということで、2年前の当時の野田佳彦前首相と安倍晋三自民党総裁の党首討論を思い起こさせるものがある。同討論では、野田前首相が、議員定数削減法案への協力と引き替えに「自爆」ともいわれる衆議院解散を明言し、これが総選挙での自民党の圧勝を経てその後の「アベノミクス相場」の起爆剤となった。今回の追加金融緩和策は、この「アベノミクス」の賞味期限が切れて株価も息切れとなりそうな局面での日銀の援軍、助け船とも評価されるもので、それこそ「アベノミクス相場」の「二の矢」、「三の矢」期待につなげた。
日銀の政策委員の賛成5人、反対4人の僅差で決めた追加緩和策については、黒田東彦総裁は、金融政策決定会合後の記者会見で否定したが、同総裁の旧大蔵省官僚のDNAが強く働いた消費税再増税シフトとの観測が専らである。今臨時国会は、11月30日に会期末を迎え、閉会後の12月に安倍首相が、来年10月に消費税を再増税するか見送るか政治決断しなくてはならない時期が迫っている。追加緩和策によって株価や不動産の資産価格が再上昇しデフレ・マインドさえ払拭できれば、消費税再増税への抵抗感も和らぎ政治決断を強力にサポートできると計算したとも推測されたことによる。
もちろん、消費税再増税に向け政府与党も、自助努力を怠らないはずだ。日銀の追加緩和策と間を置かずに発表されたGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)の運用見直しに加えて、腰折れ懸念が強まってきた国内景気を持ち上げ、再増税許容ムードを盛り上げるべく財政政策の発動を期すことになる。11月16日投開票の沖縄県知事選挙を通過して、臨時国会会期末の11月26日に自民・民主両党の党首討論が予定されているが、安倍改造内閣の目玉人事となって女性閣僚2人の同時辞任はあったものの、2年前の党首討論のようなハプニングが起こらない限り、消費税再増税シフトにより拍車が掛かることが見込まれる。現に自民党の谷垣禎一幹事長は、補正予算の編成に言及、大規模災害の復旧工事などを中心とすると示唆している。
となれば、11月の「アベノミクス相場」の「二の矢」銘柄は、折からの決算発表で円安メリットを享受して次々と業績を上方修正中の主力輸出株として、「三の矢」銘柄は、補正予算関連株が肩を並べ、双発エンジン相場となる可能性は高く、先取り余地は格段に高まることになる。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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