幼少期のネグレクトと注意欠陥多動性障害との関連性

2014年10月20日 14:54

印刷

記事提供元:スラド

eggy 曰く、 1989年にチャウシェスク独裁政権が崩壊するまで、ルーマニアには沢山の孤児が窮屈で劣悪な環境の孤児院に収容されていた。最近になって漸く環境が改善されてきているものの、革命後もこうした実態が続いていた。ワシントン大学の研究によれば、このような孤児院で幼少期のネグクレトを経験すると脳の構造が影響を受けてしまうのだそうだ。幼少期の3年間をこうした施設で過ごした子供は、衝動の抑制や集中力に関わる大脳皮質の組織が薄くなっていることが分かったという(Slashdotワシントン大学)。

 施設で過ごしたことのある8歳から10歳までの子供58人と、施設で過ごしたことの無い22人の子供に、MRIスキャンを行って脳を比較した。孤児院で過ごした子供は灰白質が全体的に少ないとする研究結果は既に1年前に発表されていたが、今回の研究により、その場所も正確に見つけることができたという。特に、記憶や集中力に関連する箇所に大きな違いが見られたとのこと。

 こうした施設で育った子供は、通常の4、5倍の確立で注意欠陥多動性障害(ADHD)になりやすいといわれているが、幼少期に育てられた環境とADHDとの関連性を「極めて強く支持」する研究結果が得られたとのこと。

 スラッシュドットのコメントを読む | 医療 | 教育

 関連ストーリー:
人間の成長が猿よりも遅い理由 2014年08月28日
「子供の長時間のテレビ視聴は発達に悪影響」との調査結果、「脳トレ」で知られる川島教授らが発表 2013年11月22日
母親からの愛情は子供の脳の成長にとって重要 2012年11月01日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事